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はっきりしない天気。「花の木」も終わりです  マウスを載せれば写真が変わります
 朝から、雨かと思えば突然日が差したり、かと思えば急に曇って時雨出したりと、安定しないお天気です。
 一時的に冬型の気圧配置に移行するらしいですが、最近、天気予報がコロコロ変わります。翌日の予報でさえ当たらないのに、週間天気なんて何のためにあるのという感じです。今日も、一昨日の予報では朝から「晴れ」だったのに…。
 境内の紅葉もここ数日で急に進み、「そろそろ始まったなぁ」という感じになってきました。
 今年の紅葉のキーワードをあげるなら、「早い」「バラバラ」「イマイチ」といったところでしょうか。
 「早い」 今年の紅葉は早い気がします。夏があれだけ暑く、台風もたくさん来て、10月の多雨。例年に比べて気温が低いとは思えないのに、何の因果で早くなるのかわかりません。
 「バラバラ」 確かに紅葉が早いのですが、全体が早いというわけではなく、早い木はずば抜けて早く、そうでない木は平年通り。全体的にはバラバラといった感じです。
   赤・黄・緑、いろいろな色が入り交じった木々    マウスを載せれば写真が変わります

 「花の木」は、もともと境内の中でも一番早く紅葉する木ですが、この紅葉も、もうそろそろ終盤に差し掛かり、多くの葉が落ちてしまいました。
 「イマイチ」 通常の環境が整っていないのに紅葉しているためか、色が濁っていたり、葉先が縮れていたりして、遠目にはきれいですが近づくとイマイチです。やはり、もう少し冷え込んでこないと、透き通ったような赤い色が出てきません。去年はかなりひどい紅葉でしたが、今年はそこまでひどくはなさそうです。
 さて、どこまで綺麗になってくれるでしょうか。
 ここに載っている綺麗な紅葉の写真をご覧になって真如堂にお越しになった方は、きっと「写真のほうが綺麗だった」とおっしゃるでしょう。
 このページではできるだけ紅葉の全体像がわかるようにはしていますが、やはり綺麗な場面を載せたくなってしまいます。雑誌やテレビでもそうですが、綺麗なのは一部だったり、一番いい時期に撮っていたりします。
 紅葉は一期一会です。昨日の紅葉と今日の紅葉は違いますし、朝のもみじと夕方のもみじは同じではありません。雨の日は雨なりに、晴れたらもちろん色が引き立ちます。それに、見る側の気持も、その時々違うでしょう。
 ご覧になった時それぞれの紅葉があります。縁によって、今、目前にある紅葉と出会った、そんな出会いを楽しみに、お越し下さい。


      小  春  日  に   と  け  て  け  む  り  に   な  り  そ  う  よ      中山美樹



    紅葉狩りの人も増えてきました    マウスを載せれば写真が変わります
 境内を訪れる方も日ごとに増え、近くの大通りに観光バスがとまるようになってきました。これから2週間ほどが紅葉観光シーズンのピークです。
 多くの社寺・施設では、特別公開やライトアップなどのイベントが目白押し。二条城の「清流園」も10年ぶりに特別公開されるようです。
 ライトアップは、あまり綺麗でない紅葉でもアラ隠しをしてくれますし、夜の醸し出す特別な雰囲気も手伝って、とても人気があります。
 でも、先日来行ってきた人は、「まだ、真っ青でした」と異口同音におっしゃいます。いかにライトアップでも、緑のもみじを赤く見せるほどの魔法は持ち合わせていないようです。
 台風23号の影響で大きな岩が航路に流れ出して船の運行が止まっていた保津川下りも、岩の撤去作業を終えて、ようやく今日から運行を再開しました。繁忙期の紅葉シーズンに何とか間に合いました。
 一番観光客が多い頃ということは、それだけ混雑するということです。
見る角度、光線具合によっては、ビックリするほど綺麗な紅葉      マウスを載せれば写真が変わります
どこへ行っても、人・人・人、車・車・車。食事をしようにも、並ばなければならなかったりします。
 この時期、観光地にいるのは大半が他府県の人ではないでしょうか。京都の人は、この混雑を避けて、じっとしている人も多いかと思います。
 行列の出来る店にも、「どうしてあの店に行列ができるの?」と、地元の人が首を傾げるところがあります。雑誌などで見て、並んででも食べたいと思われるのでしょうが、地元の人にしたら、行列が出来てからその店の存在に気が付いたというケースも少なくありません。美味しいかどうかは保証できません。
 最近は、飲食店でも東京資本のお店が進出して、「京料理」「京風」「おばんざい」などと銘打っていても、「どこが京風なの?」とこれまた首を傾げるお店も少なくありません。
 紅葉シーズンは、そんな玉石混淆なんでもありが際だつシーズンでもあります。
      まだまだ緑が基調な場所もあります       マウスを載せれば写真が変わります
 特に注意が必要なのは、移動にかかる時間です。
 すでに観光バスなどが増えて、都大路は混雑し始めています。紅葉シーズンの京都の移動には、いつもの倍や3倍時間がかかると考えたほうがいいときさえあります。
 「真如堂近くから京都駅に行こうと思ってバスに乗ったけれど、2時間ほどかかって、新幹線もギリギリでした」などという話をよく聞きます。新幹線や飛行機に乗り遅れたという話も珍しくありません。
 特に混むのは、嵐山、三千院、東山界隈。白川通の銀閣寺以南、東山通の三条以南あたりなどを南行するバスに乗るのはチャレンジャーです。タクシーも嫌がりますし、時間的にも大して変わらないかも知れません。
 確実なのは歩くことですが、「それは嫌だぁ。でも京都駅に早く行く方法を教えてぇ」と懇願される向きには、JRや地下鉄をおすすめします。例えば、真如堂から京都駅に行くなら、今出川通を西に進むバスに乗って烏丸で降り、地下鉄に乗り換えるのが一番。同じ西に向かうのでも、丸太町通より今出川通のほうがまだ空いています。
 移動するのにこんなに苦労するので、京都の人はこの時期出控えるのです。
 紅葉の京都は、色々な意味で普段とは違う京都です。どうぞ楽しい旅になりますように。

夜儀の行われる本堂(11日夜)  マウスを載せれば写真が変わります
 5日から始まった「お十夜じゅうや」も、今日で七日目。毎晩6時半からの、鉦講かねこうの方々による鉦と念仏も、次第に息が合ってきました。
 15日2時からは、「けち願大法要がんだいほうよう」が勤められ、紅葉の境内をあざやかな衣をまとった僧侶、かわいい稚児などが練り歩きます。本堂でのお勤めの最後には、僧侶が内々陣から外陣に向かって、「南無阿弥陀仏」を10回唱える「お十念じゅうねん」を授けます。
 夕刻5時、ほとんど参詣者もない本堂では、お十夜を締めくくる「御閉帳へいちょう法要」がいとなまれます。
 法要の中では、ご本尊の由緒や寺の変遷、十夜法要のいわれなどが導師によって唱えられます。
 「月の明らかなる秋の夕べには、引聲梵唄いんぜいぼんばいの妙典を相い調べ、風の清き冬の朝には称名念佛しょうめようねんぶつの功徳を回向えこうす。仰ぎ願わくは、篤く本尊を念じたてまつる輩、現世には定んで円満寿福の家に遊び、後生には必ず往生極楽の望みを遂げんことを。……これ時、平成16年 ほし飛んで初冬の既望きぼうにやどるの日、鈴聲山真正極楽寺大衆等敬って申す」と結んだ後、鉦が次第に攻めて打つ間隔が短くなる中、ご本尊の扉が閉められます。
 数多い真如堂の法要の中でも、ボクが一番感動する瞬間。変な言い方ですが、
かわいい「十月桜」の花 / 柊の花と夏の置き土産(吉祥院門内)   マウスを載せれば写真が変わります
「そうかぁ、そんなに有り難いご本尊だったんだ」と、知っていることばかりなのに、またウルウル来ます。
 「こんな素晴らしい法要に、どうしてお参りされないんだろう…」といつも思いますが、人が少なく、薄暗く冷え込んだ静寂の中で行われるからこそ、この法要の有り難さが身にしみるのかも知れません。
 お十夜で、今年の大きな法要は終わりです。「これで今年も終わっていくなぁ」という思いと同時に、そろそろ年末のルーチンを始めなきゃという思いが涌いてきます。

 さぁ、錦秋の京都、どうかお楽しみ下さい。新幹線に乗り遅れないで下さいよぉー。


      色   恋   の    話   も   上   手    十   夜   僧        堤 魄黎