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せっかくのお花も、夕方にはドライフラワー。鬼灯の赤もきれい
 お盆まっただ中。境内には墓参に訪れた人の姿も多く、夕方には多くのお墓に花が供えられていました。
 ここ1週間、最高気温が35度を少し下回る日が続いていましたが、昨日・今日は35度を超え、快晴のお天気。
 お墓に供えられたお花も、数時間後にはしおれ、翌日にはドライフラワー化してしまっています。熱せられた墓石は、夜でもなお熱を放っているため、夜のお墓は熱気に溢れています。
 今年はお盆休みが人によってまちまちのようですが、明日・明後日は土日と重なり、墓参の人もずいぶん多いでしょう。お墓も賑わいます。


      棚   経   の   かね   ち   ん   ち   ん   と   急   ぎ   居   り      河野静雲



墓参の人、観光の人がいつもより少し多い境内。拝観は1日約30人
 自坊でも、1日から棚経を始めましたが、今日13日からは市街地の中心部を回り始めました。棚経もピークです。
 街を走っているとたくさんの僧に出会います。お互いに会釈はするものの、多忙の極み、どこか殺気立っているようにも思えます。
 じりじりと灼けるようなこの暑さの中、余計に気が急きます。
 朝7時頃はまださわやか。車にエアコンを入れる必要もありません。でも、9時頃になると一気に暑くなり始め、昼過ぎはちょっと走っては停まってを繰り返している車のエアコンなど、まったく効きもしません。あとは、気力の勝負です。
 さらに、市内には、お盆休みに京都観光をしようという人の車が増え、道が不案内なために、時折ビックリするような光景に出くわします。急に停まったり曲がったり当たり前。今日は、反対車線を逆走する車まで現れましたが、流れに押し戻されて後退していきました。

     白い服がまぶしい母子 / 木陰でアイスを食べる人たち   マウスを載せれば写真が変わります
 7日の夕方、京都は左京区などを中心に、強烈な雨に見舞われました。
 夜6時からの1時間に76ミリの雨が降り、1959年の戦後最大の洪水時の60ミリを超えたそうです。
 そのため、あちらこちらで道路が冠水したり、マンホールの蓋が浮き上がったりしました。真如堂の近くでも数軒の家が浸水して、消防団が出たりしましたし、自坊でも排水が不能となり、少し床下浸水しました。
 三条の鴨川河川敷が水没。鴨川の水位は10分間に41センチ、1時間で約135センチも上昇したそうです。
 青蓮院の北側の山の斜面にある佛光寺本廟では、地滑りのため、階段状になっている墓地の一部約100基が押し流されるように倒れ、折り重なってしまいました。お盆の墓参はとても叶わず、大変なことです。
 最近は、時間雨量60ミリ−100ミリ以上の豪雨が全国で頻発しているとか。熱帯気候になりつつあるのでしょうか。
 今だかつて経験したことのない豪雨で、本当にびっくりしました。
 でも、この豪雨を境にして、気候が少し変わってきた気がします。
 「暑い」とは言っても、日陰にはいるとしのげる暑さで、ベタベタとまとわりつくようなものではありません。
 明日の夜から明後日にかけて、お天気も崩れるそうですが、それを境にまた天気の様子が変わるだろうという予想です。つまり、秋めいてくるということで、どうやら暑さのピークは超えたようです。
 そういえば、棚経の途中でも、蜻蛉がたくさん飛んでいるのを見かけます。自坊の鈴虫も、3日ほど前から鳴き出しました。

     路傍の水引草の花 /  自坊の鷺草の花   マウスを載せれば写真が変わります
 さて、16日の夜は、「帰省」されたお精霊さまが御浄土に帰られるのをお送りする「送り火」です。
 夜8時に東山の「大」文字に点火された後、同10分には 松ヶ崎「妙法」、15分に 西賀茂「船」形万燈籠と金閣寺近くの左「大」文字、20分に 北嵯峨の「鳥居」と、順次に点火されていきます。
 真如堂から「五山すべてを拝む(見る)ことができる」という噂が立っているようですが、真実ではありません。汗だくになって動き回って、三山がやっとだと思いますよ。
 送り火の頃には、今年のお盆の行事も終わり。あと3日、頑張らなきゃ! 水道水を温めただけの「苦沙彌温泉」に入って、今日の疲れをとるといたしましょう。
 暑さにやられて頭が働きません。切れのいいジョークを楽しみにされていた方、申し訳ありません。次週は必ず…。
 オリンピックが始まります。暑くて眠れなかった夜が終わったと思えば、今度は観戦したくて寝ていられない? 寝不足にご注意下さい。


      水   引   の   朱   ひ   と   す   じ   が   風   の   中      徳毛あさ子