雨の境内 |
台風が今日の深夜、近畿地方に上陸するか接近するかも知れないということで、少し木の葉がざわめくようになってきました。
でも、もう少し雨が降るのかと思っていましたが、小雨が降ったり止んだりという程度…と書いているうちに、急に風が強くなり、横殴りの雨が降り出しました。
今年は台風がよく来るような気はしますが、梅雨入りしたからといって、それほど雨が続いているようには感じません。
シトシト雨が降り続くのを「女性的な梅雨」、メリハリのある降り方をするのを「男性的な梅雨」などと言いますが、シトシトでもメリハリでもない今年の梅雨は中性的?
暦の上では10日が「入梅」でした。「梅」「雨」とはうまくいったもので、いま、自坊では梅の実が熟して、毎日いっぱい落ちて来ています。今夜台風が接近したら、明日の朝は梅拾いで大忙しかも知れません。
雨垂れが落ちる本堂の溝 |
今日、街中を車で走っていたら、沙羅の花がそこかしこで満開になっていました。「よし! これで更新ネタができた!」と、帰ってから本堂前の沙羅の木を見に行きましたが、まだ1輪も咲いていませんでした。
菩提樹の花がほとんど付いてないということを前回の更新にも書きましたが、沙羅にも異変が? 蕾は付いていますから、あと2〜3日もすれば咲き出してくれるでしょうか?
異変かどうかはわかりませんが、「今年はもみじの葉が多いですね」という言葉を職員や通りがかりの方など、何人かの人から聞きました。そういうことってあるのか、ないのか…。
また、毎年決まって、もみじの若い枝先が10センチほど枯れ込みます。ひどい年はたくさんの枝先が枯れ込んで垂れ下がり、大丈夫だろうかと心配になることすらあります。病気なのか、虫が柔らかい枝先を傷つけるためなのか、原因はよくわかりませんが、今年はそんな症状がほとんどありません。
嬉しいことですが、例年通りではないというのは、少し不安でもあります。
病 葉 や 大 地 に 何 の 病 あ る 高浜虚子
赤い門から覗く緑の境内 |
時には雨も嬉しいことがあります。紫陽花は、恵みの雨で生き生きしながらも、頭が重たそう。蝸牛は、あちこち動き回って(もちろんゆっくり)探検しているようにみえます。
先ほど小さなかたつむりを見つけたので、紫陽花の葉に移動させ、“いかにも梅雨”というヤラセ写真を撮ろうとしましたが、しばらく待っても顔を出してくれません。まさに“でんでん虫”。待っていて、雨でカメラを傷めては大変なので、諦めました。
ところで、皆さんはかたつむり、でんでん虫、どちらをよく使われますか?
民俗学者の柳田国男先生は、かたつむりに興味があったのか、『蝸牛考』という論文を残されています。
それによると、かたつむりには5系統187種の呼び方があるそうで、「かたつむり」という呼び方は、昔の京都付近の方言。「カタ=カサ」は編み笠で、笠に似た貝、笠をかぶった虫という意味のようです。一方、でんでん虫は日本中央部の最新の方言。「殻から出よ出よ」という子どもの言葉から転訛したのだということです。
小さくカワイイ三つ葉の花 |
狂言に『蝸牛』という演目があります。祖父に長生きしてもらうには蝸牛を食べさせればいいと聞いた主人は、太郎冠者に蝸牛をとって来いと命じます。蝸牛がどういうものか知らない太郎冠者は、藪に住んでいて、頭が黒く、腰に貝を付け、時々角を出すなどと蝸牛の特徴を主人から教えて貰い、竹藪に行きます。すると、山伏が寝ているのに出会います。見ると、教えて貰った特徴にピッタリ……勘違いの話です。フィナーレの「デンデン、ムシムシ」と繰り返される部分は大笑いです。
これによると、かたつむりは長寿の薬として利用されていたということですね。実際、かたつむりが咳の薬として使われたり、お臍に張って熱冷ましにしていた地方もあるようです。なんだか気持悪い…。
かたつむりは雌雄同体で、土の中に卵を産んで繁殖。食べ物は、落ち葉や朽ち木などの植物質。右巻きと左巻きがあるなど、調べてみるとなかなか奥深いです。この時期の虫といえば蛍のことばかりですが、かたつむりも面白そうですよ。
カメラ目線のモリアオガエル/カエル君のために作った池だよ 5/31 |
埋めてしまった池のあたりで、モリアオガエルが鳴いていました。雨を謳歌しているのでしょう。
捕まえて新しい池に移動させようと探しましたが、姿が見えません。モリアオガエルは回りの色と同じ色に自分の体を変身させるので、紫陽花など緑の中に緑の身体で隠れていてはなかなか見つかりません。
2週間前、2匹の子ガエルを捕まえて新しい池に放ちましたが、それっきり姿を見せません。代わりに、亀がすっかり居着き、夜は池の中で過ごし、晴れた昼間は草むらで甲羅干しをしています。せっかく作ったカエル専用池なのに…。
カエル君、カエレ!! 2週間前に撮った写真ですが、カエル君の復帰を願って…。
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