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今日は啓蟄です。「陽気地中にうごき、ちぢまる虫、穴をひらき出ればなり(『暦便覧』」とはいうものの、陽気が地中に達するには、まだもう少しかかりそうです。 先日、大阪管区気象台は、近畿・中国・四国地方のソメイヨシノの第1回開花予想を発表しました。 桜は、夏頃に翌春咲く花の元となる花芽を形成して休眠に入り、冬の低温に一定期間さらされると休眠から覚めます。そして、その後の温度の上昇とともに生長し開花します。 それによると、京都・奈良の開花予想日は27日で、平年より3〜6日早目だとのこと。 通常は開花から約1週間後に満開(約80%が咲いたら「満開」)。ということは、4月3・4日頃に満開を迎えることになります。 ただ、市街地より少し気温の低い境内では、開花宣言より数日経たないと桜は咲き始めず、見頃も後になります。 境内の桜の見頃は、4月第2週目あたり? 焦らず、ゆっくりお越し下さい。また、平安神宮の紅枝垂れや仁和桜などは、それよりもう少し遅れます。 あっ、今は北野天満宮をはじめとする梅の名所が、ちょうど見頃のようですよ。 いつもこのページに登場する猫 陽射しを遮るものが何もない、日当たりのいい庇の上は、犬に襲われることもなく、安心してうたた寝できる場所のようです。 「最近の猫はネズミさえ捕まえない」などとも言われますが、ミーコちゃんは違います。蹲に横にうずくまって、水を飲みに来る鳥を狙っていたり、今度自坊に作ったカエル繁殖用の池の金魚をじっと見つめていたり。またある時は、お弁当を食べる人の横でお裾分けを待っていますが、ただの白飯などには目もくれず、竹輪や魚などだけを選んで食べるとか。 こうして可愛く寝ていますが、本当は“すごい”のですヨ。 お釈迦さまは沙羅双樹のもとで入寂されたことを、皆さんもご存じだと思います。12月8日にお悟りを開かれたのは、菩提樹の樹の下だったこともよく知られています。 それでは、誕生になったのは何の樹の下かご存じですか? この無憂樹(=アショカの木)です。 お釈迦さまのお母さま摩耶夫人は、お産のために実家に帰る途中に休憩されたルンビニ(現ネパール西部)の花園で、咲き誇る無憂樹の一枝を手折ろうと右手を差し伸べられた時、その脇からお釈迦さまを生まれたと言われています。 仏教では、沙羅樹・菩提樹・無憂樹を三大聖樹といいますが、日本に伝わる沙羅樹も菩提樹も、インドのそれとは違っています。また、無憂樹に代わる日本の樹木はありません。 先日の地元紙に、この無憂樹の花が京都府立植物園の温室で見頃を迎えたと載っていたので、ぜひとも一度見たいと思い、今日、更新の途中で見に行ってきました。実は、ボクも今まで見たことがありませんでした。 今のインドでは、恋する乙女の願いをかなえ、また、誕生・結婚にかかわる幸福の木として、街路樹としても植えられているという無憂樹。樹高5メートルほどの、割と細い木でした。温室育ちなので、か細いのかも知れません。 30度以上ある暑い温室で、初めて見た興奮も加わって、すっかり汗だくになりました。 春の七草に「ホトケノザ」という草がありますが、それはコオニタビラコという植物。本当のホトケノザはこの花です(別名:三階草)。 花の下に対生する葉が茎を包み込むようになっていて、それが仏の蓮華座に見えることからつけられた名前です。 道ばたなどでもよく見かける春の代表的な雑草のひとつですが、写真は、まだ恐る恐る咲き出したばかりのホトケノザです。 これからはまだ寒い日も戻って来るでしょうが、「あっ、この花が咲いた!」「新芽が出てきた!」と、ひとり秘かに小躍りする日が続くでしょうね。 出 し 穴 を 離 れ ず に ゐ る 地 虫 か な 粟津松彩子 |