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少し湿った敷石の本堂前
 寒さが身にしみるようになってきました。
 今日は、時雨が降ったり止んだり。時折それが固まって、細かい雪が降ってきます。
 すぐ隣の大阪や奈良では雪が積もっているようです。

 21日は大寒。京都が一番寒いのは2月上旬。本当に寒いのはこれからです。
 北海道や東北に住んでおられる方でも、「京都の寒さは違う」「京都の寒さはこたえる」と言われることがあります。
 「底冷え」、それが京都の寒さの正体です。
 京都は東西北の三方を山で囲まれた盆地で、風のない快晴の夜などは特に地面の表面から熱が放射されて冷気が溜まり、翌朝は厳しい寒さになります。これが底冷えの原因です。
 昨年、関西を中心に吹き荒れたのは「六甲おろし♪」ですが、京都の冬には「愛宕おろし

どんよりした空を映して黒い池の色
」や「比叡おろし」と呼ばれる強い風が吹くことがあります。その名の通り、愛宕山や比叡山・比良山系から吹き下ろす強い風で、足下からの冷えに加えて、体感温度をさらに下げていきます。
 作家の谷崎潤一郎は、戦後しばらく大好きだった京都に住みますが、夏の暑さと冬の底冷えに耐えられず、熱海に転居しています。元来、温暖な気候がお好きだったのでしょう。
 昔は鴨川にも氷が張ったといいますが、年々の温暖化傾向で、最近はそんなことはなくなりましたし、雪が積もることも少なくなりました。

 でも、この寒さ、悪いことばかりではありません。京都の文化は、夏暑く、冬底冷えするこの気候によって育まれたと言っても過言ではありません。
 いま流行の京野菜にしても、この寒気が良い水と肥沃な土と相まって、かぶら、ねぎ、すぐきなどの味を一層増してくれます。
 京漬物・豆腐なども、そんな素材をもとに作られています。
 この気候は、「弱々しさの中にも風雪に折れないシンの強さがある(全国知事会HPより)」京都人気質を作り出すのに一役買っているということですが、ほんまかいな。

 日本の北と南の温度差が最も大きくなるのもこれから。札幌と那覇では、今日でも25℃ほども気温差があります。
 このホームページにお越し下さる皆さんの近況をお伺いしていても、こんなに違うものかと、毎日思います。
 日本も広いですね。


ドウダンツツジの枯れた種と新芽
 境内は静まりかえっています。
 写真を撮っていると、「こんにちわ」という挨拶の声。声の主を見れば、帽子をかぶって、マフラーで口のあたりまで覆った女性。変装されているかのようで、誰だかわかりません。
 目を大きく開いてその方の顔をのぞき込むと、その方は口にかかっていたマフラーを下げ、「お化粧をしていませんので、隠しているのです」と恥ずかしげ。
 彼女は自坊の「メダカの学校」にもよくお越しになる方で、冬の境内の雰囲気が大好きなので、完全武装で散歩をされていたのだそうです。
 しばらく立ち話をしていましたが、靴の底からだんだん凍みてきて、その方は散歩の続きを、ボクは写真を撮りに別れました。

        手  で  顔  を  撫  づ  れ  ば  鼻  の  冷  た  さ  よ      虚 子



老夫婦と猫。木の枝に付いている小さく茶色いのはもみじの種
 この寒い中、ベンチでお弁当をひろげておられる年輩のご夫婦もおられました。究極の冬好き?
 横で、いつもの猫が「ニャァー ニャァー」泣いて食べ物を請うていましたが、お二人は何かを与える様子もなく、さっさと食べて帰って行かれました。
 観光目的の方もたまに見かけますが、多くはひとり旅。昨秋の雑誌などを見て来られたとしたら、何にもない境内にさぞかしビックリされて、どうしたらいいか戸惑っておられることでしょう。
 あるいは、冬の京都がお好きか、静かな時を過ごしたいと思っておられる方なのかも知れません。

        の  ら  猫  の  声  も  つ  や  な  き  寒  の  内      浪 化



馬酔木の蕾
 写真が黒っぽいものばかりなので、最後は少し赤いのを。馬酔木の蕾です。
 馬酔木は2月半ばにならないと咲き出しませんが、蕾もこんなにかわいくて綺麗。この写真の蕾は赤いですが、白い蕾もあります。咲いた時の色にはそんなに差があるようには思えないのですが…咲いた時に、よく観察してみましょう。

 日が少し長くなってきましたね。うれしい!
 インフルエンザも去年ほど流行していないようですが、油断大敵。ご自愛下さい。

 阪神淡路大震災から9年目を迎えるにあたり、犠牲となってお亡くなりになった方のご冥福を、心よりお祈り申し上げます。