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一昨日・昨日は快晴でしたが、今日は朝から雲の多い天気。お昼頃になって、ようやく少し晴れ間が見えてきました。 境内は凛と静まりかえり、時々、犬の散歩をする人や観光客の姿が見られます。観光の方も、秋以外の真如堂がこんなに人影のないお寺だとは思っておられなかったでしょう。 紅葉以外の見どころに乏しいので、せっかく遠くから来ていただいても申し訳ないような気がしますが、静まりかえった真如堂が好きだとおっしゃる方には、今から2月いっぱいがとりわけ狙い目です。 普段は目もくれないような些細なことに驚いて、何だか嬉しい気分になるのは、今の季節の“特典”です。 この時期に肥料を施すことにより、活動が活発になる春までに、肥料成分が植物に吸収されやすい形に分解されます。春になって木々の動きが活発になり始める時、栄養が根から素早く吸収されて、充実した枝を育てる助けとなるわけです。 美しい紅葉をお見せするには、いろいろな影の苦労もあるわけです。 今冬のもみじには、例年よりずっとたくさんの種がついています。葉が落ちるのが遅かったのに連れて、種も遅くまで枝に付いているのか、昨年の異常気象の影響で種を保存しなければいけないともみじが判断したのか、わかりません。 枝先にゴミが付いているようで、綺麗とは言えませんが、もみじの一所懸命さを感じます。 これを読んで、「えー、松の内ってもう終わったでしょう。7日まででしょう」と思われた方は、関東などにお住まいではないでしょうか? 京都では、15日までが松の内です。 関西と関東によって違うお正月の習慣は他にもあります。お雑煮の作り方はもちろんですが、鏡開きも関東などは11日ですが、京都では4日。全国的には20日というところもあるようです。 最近、スーパなどで売っているビニール容器入りの鏡餅は、中に小さいお餅がいっぱい入っていて、「開く」といっても、裏蓋を文字通り開くだけです。 古来の丸い青銅製の鏡に似ているから「鏡」餅といい、もともとは歳神さまを迎え入れたときのお供え物です。 鏡開きは、運を「開く」という意味などをこめて、その餅をお下がりとしてで分ける行事です。でも、長くお供えしていた鏡餅は乾燥していて、決して美味しいとは言えませんね。 茶道の初釜、お花の初生け、花街の始業式、十日戎などなど、新聞記者は歳時記の取材で大忙しでしょう。 真如堂では、7日に七草のお勤め。 8日には、法螺貝の音と共に、山伏姿の一行の参来を受けました。 聖護院の寒中托鉢修行の一行で、15日まで、市内一円約6千軒をを回って除災招福を祈ります。 14日は、ご本尊を彫られた慈覚大師円仁様のご命日。 15日は小正月。7日に七草粥を食べることは盛んに行われますが、それに比べて、15日に小豆粥を食べる風習はそれほど一般的ではありません。真如堂では行いませんが、京都では小豆粥をいただく行事を催されるお寺もあります。 赤飯や小豆粥など、何かの時に小豆がよく使われますが、それは小豆の赤い色に呪力が 1月を、「睦月」といいます。その名は、「一家親族一同が集って、和やかに仲睦まじく過ごす」月というところから来ていると言われます。 こうして、あらためていろいろな行事を考えてみると、大地の恵みや神仏に感謝し、祈りながら、何かを分かち合って一緒に食べ、1年の健康や除災招福を願うというような行事が多いことに気づきます。 最近のニュースで、幼児を虐待した末に死に至らしめる事件やドメスティック・バイオレンスのことを聞かない日はありません。実に悲しいことです。 「睦月」、素晴らしい響きですね。 年末の高校駅伝の時には、実際のコースで練習する選手の姿を早くから見かけましたが、今回は誰も見かけません。ただ、交通規制を知らせる看板があるのみ。社会人などが多く、ギリギリまで入洛できないのでしょうか? 交通規制やテレビ中継のヘリの騒音など、駅伝は有り難いことばかりではありませんが、今ではすっかり京都の冬の風物詩となりました。 寒さも、いよいよ本番。風邪をひいておられる方も段々増えてきました。どうか、ご自愛下さい。 山 茶 花 の 散 る に ま か せ て 晴 れ 渡 り 龍 男 〜写真は1/9に撮影したものです〜
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