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今日あたりからUターンラッシュが始まるのでしょうか。今日まで遊んで、明日は自宅でゆっくりという方も多いかも知れません。 境内はあたたかい陽射しに包まれ、のんびりとしたムードです。 さすがに家族連れが多く、小さな子供から年輩の方まで、3世代、4世代連れと思われるような人たちも少なくありません。 お正月だからといって、一張羅、晴れ着を着る習慣がすっかりなくなってしまった感のある最近。この三が日、自坊にも400人ほどの方が来られましたが、着ておられるものから晴れやかさ感じることはあまりありませんでした。 落語の『初天神』では、1月25日の初天神に、主人公が一張羅の羽織を来てお参りにいくという下りがあります。神仏への崇敬と自分の襟を正す意味があったのでしょうが、最近はそういうメリハリをが減り、何だかさみしい気もします。イベント好きな日本人なのに……。 「何事も、古き世のみぞ した(慕)はしき。今様は、むげにいや(卑)しくこそなりゆくめれ」(『徒然草』)。兼好の時代から、人は「昔はよかった」と言い続けているのですね。 今日は、おみくじの祖、元三大師良源(912-985)のご命日。おみくじが現在のようになったのは平安中期、元三大師が考案されたと言われています。 正月3日に亡くなったことから、「元三大師」の名があります。 天台宗以外のお寺のことはわかりませんが、ちなみに北野天満宮では菅原道真公が詠まれた和歌が、明治神宮は明治天皇の御歌がおみくじになっているようです。 もちろん、当ホームページのおみくじも、このおみくじです。 元三大師は伝教大師が比叡山を開かれてから約180年後に現れ、第18世天台座主として荒廃した比叡山を復興し、比叡山の僧侶たちに学問を進めるなど活躍されたところから、日本天台宗中興の祖といわれます。 また、『往生要集』を著された恵心僧都源信など、その門下は3000人にといわれ、のちの日本浄土教の展開に大きな影響を与えました。 真如堂が開創されたのは984年、元三大師が亡くなる前年。大師は様々な加持祈祷の実績を重ね、藤原摂関家との結びつきを深めていかれますが、真如堂開創の願主も藤原詮子。円融帝の女御であり、藤原道長の姉、一条帝の母。 比叡山の大切な阿弥陀様を都に降りていただいて本尊としたわけですから、そこに元三大師が何らかの形で関与されたであろうことが想像できます。 大師には数々の霊験や説話が残されており、降魔大師・魔除大師・角大師・豆大師など霊験ある聖者として、今日も信仰を集めています。 真如堂でも、ご命日の今日、元三大師堂で初護摩が修せられました。 6日は小寒、寒の入りです。この日から節分までが「寒」で、寒さはこれから本番を迎えるはずですが…。 寒くないのは有り難くもありますが、やはり時節通りが一番。底冷えのする京都、凛とした空気が境内にも漂います。ボクのお薦めする京都です。 といっても、「京都は寒い」「寒さが違う」と北国の人にも言われるこの季節。来訪者は多くありません。そんな時期に皆さんに来ていただこうと、いろいろなイベントが企画されています。 京の冬の旅「非公開文化財特別公開」は1月10日にスタート(〜3/18)。金閣寺方丈や八木家(壬生屯所)など、11カ所が特別公開されます。 今年はNHKの大河ドラマ『新撰組!』が目玉のようですね。特別公開にも、定期観光バスの特別コースにも関係のあるところが列記され、講座や新選組隊士がよく通ったといわれる花街・島原で太夫の伎芸を鑑賞する企画などもあるようです。 「高い」と評判の京都の「食」にも冬ならではの味わいがあります。 「『食のプロに聞いた 日本の旬』アンケート」(H13日清製粉)で、日本の旬の食材を最も楽しめる都市はどこかと尋ねたところ、1位は全回答者の約50%が京都と答え、2位東京、3位が石川・北海道だったそうです。 千枚漬、すぐきなどの冬の漬物、湯豆腐なども冬が一番美味しいですが、ボクはやはり「かぶら蒸し」がイチオシだと思います。 すりおろした蕪に軽く泡立てた卵白を混ぜ、ぐじ(甘鯛)、銀杏、きくらげ、百合根などを加えて蒸し上げ、銀あんをかけた上にすり山葵をちょっとのせる……たまりません。 元旦に更新したばかりなので、今日の更新はほとほと困り、またまた脱線してしまいました。 お寺では、小正月頃まではお正月関連の行事が続きます。 月曜日が仕事始めという方も多いと思います。主婦の方は一段落でしょうか。 どうか今年も、ご無事で、ご健康にお過ごし下さい。 弥 陀 仏 を た の み に 明 て 今 朝 の 春 一 茶 |