11/29版
師走間近の今日は雨。時折、雨脚が強まり、音を立てて降ってきます。 紅葉も、休日で考えると、どうやら今日・明日が最後。せっかく、入洛される方には気の毒なお天気となりました。 雨のお陰で、いつもは早朝からカメラマンで賑わう境内もひっそり。ようやく9時頃になって、紅葉見物の人の姿が目立つようになってきました。 この雨ではカメラが傷むし、欲しい色もでないでしょうから、カメラマンの皆さんは自宅待機といったところでしょうか。 ボクも更新の写真を撮りに境内を巡りましたが、雨からカメラを守るのに気をつかいました。 今年の紅葉は、例年よりかなり悪く、近年まれに見る美しい紅葉だった去年と比べると、その差は歴然としています。「冷夏の年の紅葉はよくない」といわれますが、的中したようです。 毎年、紅葉を見て、「わぁ、綺麗だなぁ」と目を奪われ、息をするの忘れてしまうぐらいの瞬間があるのですが、今年はそんな瞬間にまだ出会っていません。 「あ、今がピークだなぁ」と感じる時も今年はなく、今振り返って考えると、急に散り出した3〜4日前が、お天気との兼ね合いからも、今年のピークだったのかも知れません。もみじの色は今日の方が綺麗だと思いますが、‘葉抜け’状態の木も増えてきましたから…。 「真如堂の紅葉は、こんなものじゃないですよ。今年は本当に悪いんです。初めて見る人はこれでも綺麗だと思えるでしょうがねぇ」とガイドをされていました。 まるで、ボクの言葉のよう。 「美しい人はより美しく、そうでない方はそれなりに…」というCMがありましたが、たまに見る人には美しく、いつも見ている人にはそれなりの紅葉です。 本堂裏は、例年では12月に入ってから紅葉のピークを迎えます。今年も例外ではありませんが、すでに赤くなっている木とまだまだ緑色の木が混在しています。 本堂正面側でもそうでしたが、裏側でも、紅葉がピークに達する前に葉が茶色く枯れてきている木があります。 本堂裏の紅葉を期待していましたが、こちらもやはり不調です。 とはいうものの、来週いっぱいは「それなり」の紅葉がお楽しみいただけます。 そろそろ焼き芋ができるだけの落ち葉が集まり始めました。うまくいけば、焼き芋にもありつけます。「それなり」の今年は、せめて焼き芋を楽しみにしましょう。 今年のサツマイモの出来はどうなのでしょうね。紅葉より、そちらの方が気になり出しました。 でも、それと、ハッとする光景とは時々一致しない時もあります。 この写真などはどこで撮ったかわかりにくい写真ですが、今朝、「わぁー、きれい!」と思った光景です。 枯れて枝から落ちてきたもみじ葉が、溝の水に再び精気を与えられ、赤さを取り戻しているように思えます。 訪れる人にとっては迷惑な雨ですが、雨の日には雨の日なりの紅葉があります。美しさ、静けさ、空気があります。 水路を流れる落ち葉が、やがて何かに引っかかって、おおきな落ち葉溜まりを作る…それを崩して流してやる…などということも雨の日の楽しみです。 落ち葉が一面に敷き詰められて、赤い絨毯のようになる敷き紅葉。それも少し雨が手助けしてやった方が綺麗です。 ただし、足元に注意しないと、落ち葉で滑って転けることもありますよ。 一昔前、「濡れ落ち葉族」という言葉が流行しました。定年退職をして家で何もすることがなく、払っても払っても奥さんにまとわりつく。 濡れ落ち葉、本当はすごく綺麗なのですが…。 紅葉ばかりではなく、他の写真が撮りたかったのですが、カメラが濡れて故障しないかと心配になり、やめました。 もう一度、PR。来週いっぱいは「それなり」の紅葉がお楽しみいただけま〜す。 |