11/1版
普段は静かな境内が一転して、“繁華街”と化する季節。この連休は、きっとその序章となるでしょう。 朝、写真を撮りに境内を散策しました。この1週間で、もみじはかなり色づきました。 「紅葉の具合はいかがですか?」と尋ねられたら、応えに窮する気がします。 今年の紅葉は、一言でいうなら「バラバラ」。 銀杏は天辺までまだ真っ青。桜は紅葉して、たくさんの葉を毎日落としています。カエデは、木の上の方からかなり色付いています。 問題はもみじです。 異様に紅葉が進んでいる木や枝は、虫に食われて樹幹が痛み、根からの水分や栄養補給が順調ではない木でしょう。「大丈夫かい?」と声をかけてやりたくなります。 本堂の裏側はまだまだ緑色で、紅葉の兆しもほとんど見られません。 まぁ、勤労感謝の日の連休の頃にお越しになれば、ある程度の紅葉をご覧いただけます。ただし、境内も、京都市内も、最も混雑し、ボクなどは絶対に外出したくない日です。 ちなみに、去年の紅葉日は11月21日。小雨が影響したため、こんなに早くなったのでしょうか。 去年のような美しい紅葉を今年も見ることができるでしょうか? いつが見頃でしょう? さっぱりわかりません。 LiveCamera の画像にも、紅葉の気配が漂うようになってきました。「今年は行けないなぁ」と残念がっておられる方、雰囲気をお楽しみ下さい。境内の混み具合もなんとなくわかりますよ。 グミのような形をした実ですが、そのまま生食するのには向いていません。鳥も食べませんから、美味しくはないのでしょう。 でも、乾燥させて煎じたり、焼酎などに漬けて飲むと、補腎、強壮作用があるそうです。 今年は、実の付き具合がよくありませんが、赤く光沢のある実が青空によく映えます。 ところで、山茱萸と言えば宮崎県椎原村の『ひえつき節』。焼畑で収穫した稗をつく作業歌で、那須大八郎と鶴富姫の悲恋が歌われています。 その歌詞に「 にわのサンシュの木 なる鈴かけて すず鳴るときゃ 出ておじゃれよ」と歌われているのは山茱萸だと思っていたら、歌詞には「山椒の木」と書いてあります。おぼえ間違いかなぁとさらに調べたら、一般には山茱萸よりも山椒のほうが馴染み深いので、民謡協会では山椒に統一しているとか。そんなアホな。 山茱萸の近くの生け垣にお茶の木にも花が咲いています。白い2〜3センチの花ですが、黄色い雄しべが花の割に大きく、煮ぬき卵の黄身のようで、どこか美味しそうです。 寄 り て 見 る 茶 の 花 の 蘂 う ひ う ひ し 山口誓子 吉祥院では、4日前にご近所の奥さんたちが来てくださって、大菊の花の下に花弁を支える「輪台」を付けてくださいました。そろそろ菊花展の準備が完了です。 この菊は、40数年前から毎年、住職が丹誠込めて育てているものです。 子どもの頃からそれを見てきたボクには、とても菊作りを受け継ごうとは思えません。 大菊や小菊、嵯峨菊、珍しいところでは今年初お目見えの中国の菊などが、これから1ヶ月ほどの間お楽しみいただけます。 菊と紅葉、本番はまだもう少し先ですから、焦らないでも大丈夫ですよ。 写真が多く、大きく圧縮率が低くて、遅い回線でご覧の方には迷惑なページでゴメンナサイ。 綺麗な光景をお見せするにはこれぐらいでないと……ぜひとも、ブロードバンドになさってご覧ください。 |