10/11版 



天辺の赤みが増してきた「花の木」
 朝からどんより曇っています。少し蒸し暑いくらいで、動くと汗ばみます。
 今日から3連休という人も多いと思いますが、秋晴れの行楽日和とはいかないようです。
 都大路に観光バスを見かけることが多くなりました。秋の観光シーズンが始まったようです。
 今朝、伏見稲荷〜東福寺〜清水道〜祇園を車で走りましたが、どこもいつもより人が多く、道路は他府県ナンバーの車が増えて、とても走りにくかったです。
 残念ながら、紅葉にはまだまだ早く、特別公開などもまだ旬ではありません。混雑を避けたいなら今ですが、錦秋の京都をご覧になりたいなら、あと1ヶ月以上はお待ちいただかなければなりません。


緑が濁ってきたモミジの木
 境内にも、人影が増えてきました。
 残念ながら、境内にも、今、めぼしいものはありません。
 季節はずれの木槿や芙蓉などがわずかに残り、椿や山茶花には咲き始めるものが出てきました。
 枯れた花をつけたままの彼岸花は、茎だけが目立っていて、どこか無常感を漂わせています。
 「花の木」は天辺が赤くなってきましたが、まだまだ濁った赤で、お世辞にもきれいだとは言えません。(9/6の写真と比べてみて下さい)
 モミジも緑が少し濁り、木によっては枝先が少し赤みがかってきたものがあります。鮮やかな緑でもなく、かといって燃える赤でもなく、中途半端で、とらえどころのな景色です。
 まだかまだかと待たせておいて、11月の半ばには赤くなってみせる。自然はうまく人を焦らせてくれます。美しい光景に出会えた人は、「ご縁があった」のでしょう、人のはからいを超えている気がします。
 彼岸花の開花が例年より1週間ほど遅かった今年、さて、紅葉の見頃はいつでしょうね。


ヒヨドリジョウゴの赤い実、青い実。白い実はシロシキブ
   動きの少ないこの時期の更新は、些細なネタ探しから始まります。
 更新を終えた時から、次週の更新ネタ探しを始め、「あそこにあの花が咲いている」「朝のこの角度がいい」などと、毎日カメラを持って境内近辺を彷徨います。でも、天気や更新作業にかかれる時間帯、気分?などの兼ね合いで、結局は更新作業にかかってからでないと、内容が見えてきません。
 桜や紅葉の頃は、何を撮っても「絵」になりますから、気が楽なのですが、今の時期は「明日は更新だぁ、何を載せようかなぁ」と気が重たくなります。
 そんな中、1週間ずっと目をつけていたのは、ヒヨドリジョウゴの実と蕎麦の花でした。

 9/13のページにヒヨドリジョウゴの花の写真を載せた株は、まだ咲き続けています。今日の写真は、境内で見つけた別の株です。
 青い実、赤い実、萎み始めた実などが混在しています。赤く熟した実はいかにも美味しそうですが、毒があるので食べてはいけません。「いけない」と言われると食べたくなりませんか?


可憐な蕎麦の花
 蕎麦はかなり以前、お蕎麦屋さんの聖護院・河道屋のご主人から種をいただいたものですが、いまだかつて実がなったことはありません。
 1週間以上前から咲いていたのですが、風に揺られて写真が撮れなかったりして、今週掲載となりました。
 一面に白い蕎麦畑の写真をよく見ますが、その小さな花をアップにすると、こんなに可愛い花だったのですね。少々遠視のボクは、今回、アップの写真を撮って初めて、その可憐さを知りました。


       身 に し み て 大 根 か ら し 秋 の 風      芭蕉

 芭蕉は蕎麦好きでしたが、京風の甘い出汁やわさびを薬味にした蕎麦のは口に合わず、辛味大根の蕎麦こそが本物だと評しています。蕎麦の種をくださった河道屋の辛み大根の蕎麦は、絶品です。
 明日は、そんな芭蕉の命日、芭蕉忌です。

 更新の苦しみはまだしばらく続きますが、そんな時こそ、思いがけない出会いがあります。
 美しい紅葉まで、皆さんもしばらく焦れながらおつき合い下さい。