9/27版
先週まで、「暑い、暑い」と言っていたのが嘘のよう。日によっては、先週と最高気温が10℃ほども違います。 これからまた少し暑さが戻るようですが、もう30℃を超えることはないでしょう。 萩の花も、少し盛りを過ぎたようで、こぼれた花が枝の下に目立つようになってきました。萩の花が散ることを「こぼれる」といいますが、小さな花の散りざまを表すのにピッタリな言葉だと感心します。写真をご覧いただいても、花が落ちて、軸だけになっているのがおわかりいただけるでしょう。 秋風に揺れる萩、とてもゆかしいですね。 ほ ろ ほ ろ と 秋 風 こ ぼ す 萩 が も と 召 波 今、境内に咲くのは、萩と彼岸花、そしていまなお木槿。 彼岸花は今が盛り。緑の中に咲いている燃えるような赤い花にはハッとさせられます。 彼岸花の写真を何枚か撮って、その場を立ち去ろうとした時、クロアゲハがやってきました。 カメラを向けましたが、クロアゲハはふわふわと別の彼岸花のところへ飛んで行ってしまいました。でも、またすぐにゆったりと戻ってきてくれました。そこで、パチリ! 日を遮られたモミジ林の中の真っ赤な彼岸花の花から花へ、漆黒の牒が蜜を求めて優雅に飛び回る姿は、とても幻想的でした。 「花から花へ」と思ってその時浮かんだフレーズは、なぜか演歌の一節。せめて、『椿姫』」のアリアが原語で口ずさめたらとゲンナリしました。 彼岸花の香りというものを、いまだかつて嗅いだことがありません。 近づいても匂ってきませんし、あの赤い花に顔を近づけるのには抵抗があります。細くたくさん出ている蕊に触れてしまいそうですし、触れるのが怖い気がします。 目を引く花を咲かせて蝶を呼んでも、実がつくわけでもない彼岸花。どうして花を咲かせるのでしょう? 大輪の花を咲かせつつも実を結ばない人生もある……関係ないですね。 その樹を見上げると、きれいな緑色。その中の数百枚に1枚程度の割合で、赤くなっている葉がまばらにあります。どうして樹全体が赤くならずに、1枚、また1枚と赤くなって落ちてくるのか不思議です。 あと1ヶ月もするとカエデやモミジも少し色づき、2ヶ月後にはほとんどが紅葉の盛りを過ぎて散り始めていることでしょう。 どうしたら美しく散れるか、有終の美を飾るための練習でもしているのでしょうか。 気候が不順です。風邪をひかれませんように。 |