6/29版 
真如堂 NOW !!



雨の本堂前白砂 6/28
 梅雨らしい梅雨。有り難いような、迷惑なような…。今日・明日は、どうやら雨は降らない様子。今は薄曇りです。
 道を掃除しようと思っても、塵が雨で石畳にへばりついて、なかなか思うようにいきません。
 ツツジの刈り込みもしなければとずっと考えているのですが、天気とスケジュールと他の仕事の優先順位の狭間で果たせないまま。早くしないと、来年の花付きに影響してしまいます。
 定例では土曜日更新のこのページ。昨日、雨を押して写真を撮り、さぁ作業に取りかかろうとPCの電源を入れましたが、画面に何も表示されないまま。どこが悪いかを探って、部品を購入して交換するまでにしばらくかかり、結局、今日の更新となってしまいました。LANボードなどが故障したのですが、原因はおそらく雷か湿気を含んだホコリ。梅雨の天気は、建物の中でも番狂わせをもたらします。


菩提樹と本堂の雨樋 6/28

 昨日は雨で写真も撮りにくかったので、もう一度撮ってこようと境内を散策しましたが、菩提樹も沙羅も終わった今の境内はトピックスに乏しく、雨の風情漂う昨日の写真を載せることにしました。
 濡れた赤土の上を歩いた靴で石畳を歩くと、足下をさらわれそうになります。転けてせっかくの新しいカメラをおシャカにしてなるものかと、透明なビニール傘にカメラと三脚持って、恐る恐る…。人に見られたら、痔かと思われるような歩き方。

 明日30日、神社では「夏越の大祓式」が執り行われ、半年分の罪・穢が祓われます。この時期、茅の輪をくぐる光景がテレビや新聞などでもよく取り上げられます。
 6月30日は、白の外郎ういろうに小豆をのせて三角に切ったお菓子、「水無月の日」というのをご存じですか?
 旧暦6月1日(今年は明日)は「氷の節句」で、かつて御所では氷室(山麓の天然氷保管庫。今も京都市近辺に遺跡があります)の氷を臣下に与え、暑気を払っていたそうです。一般では氷など口にすることはできず、その代わりに水無月を食べるようになったとか。あの白い三角の形は氷室の氷を表し、小豆には悪魔払いの意味があるようです。
 とすると、黒糖や抹茶の水無月は邪道? 美味しいけどなぁ…


咲き出した木槿 6/28
 正面石段の下の方で、木槿むくげの花が早くも咲き出しました。
 でも、やっぱり木槿に似合うのは、照りつけるような強い陽射しと青い夏空。雨は紫陽花に任せておいたほうがいいですね。
 紫陽花から木槿へ。その次に境内で咲く花といえば百日紅、そして萩。木槿は萩の咲き出す9月頃まで次々と咲き、長い間楽しませてくれます。
  道 の べ の
   木 槿 は 馬に
  食 は れ け り
            芭蕉

 フワフワして柔らかそうですが、美味しいのでしょうか?
 今、あまり木槿を話題にすると、先の更新ネタで窮することになるので、この話はここまで。  


黒谷本堂前石段に咲く小小ん坊
 本坊の庭で、小小ん坊シャシャンボの花が咲いています。
 「原住植物」という大仰な看板が立っていますが、真如堂がこの地に移った当初から生えているということでしょう。
 小小ん坊はツツジ科の小高木で、京都近辺の低山などでもよく見かけます。
 先日、黒谷(金戒光明寺)を散歩していたら、大きな小小ん坊に花がいっぱい付いているのに気づきました。今までに何十回とそこを通っていたのに…花に教えてもらいました。
 「小小ん坊」というのは小坊主さんのことかと思っていたら小さな実のことらしく、秋に熟すこの実は、生食やジャム、ジュース、ケーキにも利用できるといいます。ツツジ科ですから、ブルーベリーとも一緒ですが…ボクは食べたことがありません。
 まったく話が変わりますが、小坊主さんといえば、夕べの夢の中に「世の中は澄むと濁るの違いにて 刷毛に毛があり 禿げに毛がなし」というフレーズが浮かんできました。どうも、寝る前に読んだ本に「たとえに嘘なし 坊主に毛なし」とあった影響のようです。何とギャグっぽい夢でしょう…。失礼。


葉柄の花軸が同じ所から出ているから、これは紫式部
 自坊の中庭で、紫式部の花が咲き出しました。
 6月に「メダカの学校」の講師をお願いした佐伯先生が、「紫式部と小紫はよく似ていて、その違いは、紫式部は葉と実の軸が同じようなところから出て、小紫ではそれらが少し離れること。小紫の白種は白式部とも呼ばれる」と説明されていました。そして、京都の庭に多いのは小紫だということもおっしゃっていたように思います。
 それからすると、これは紫式部。
 紫式部にしろ小紫にしろ、最近の草木の、舌を噛むような、覚えられないような名前ではなく、実に情趣深いネーミングです。

 さぁ、梅雨も折り返し。これからが本当に蒸し暑い梅雨本番です。
 ご自愛下さい。パソコンも。