6/22版 
真如堂 NOW !!



今が盛りの沙羅
 鬱陶しい空が堪えきれなくなって、時々雨粒が落ちてきます。それを待ちかまえていたかのような蛙の声。典型的な梅雨の情景です。
 昨日は、梅雨の合間の照りつけるような夏空。気温は今夏最高の31.6度。平年に比べ4度ほど高く、7月中旬並みの暑さでした。
 今日は夏至。太陽が最も南に上り、一年中で昼が一番長い日。でも、梅雨のこの時期、昼の長さや陽射しの強さを実感することは、あまりないかも知れません。
 冬至には柚風呂に入ったりする風習がありますが、夏至にはそのようなイベントもなく、ニュースで夏至だと聞いて「ああそうだったのか」で終わってしまう、少し風情に欠ける節句。暗くて長い冬が続く北欧では、夏至の日、各国で盛大な夏至のイベントが行われるそうですが…。

夏 至 今 日 と 思 ひ つ つ 書 を 閉 ぢ に け り      虚 子         



早々と実を付けた菩提樹

 前回に引き続いて、沙羅と菩提樹の話題です。他に境内のトピックスがないもので…。
 沙羅は、先週より多くの花を咲かせています。今が盛りでしょう。
 今月終わり頃まで楽しめる、花期の長い樹です。
 一方の菩提樹は、咲いたかと思ったら、あっという間に終わり、もうすでに実を付けています。こんなに早く、花から実へと移る樹は他に知りません。
 その実も、熟して落ち始める秋までは、枝でゆっくりおやすみです。


吉祥院門前のモクゲンジ
 こちらの“菩提樹”も咲き出しました。モクゲンジ、別名 栴檀葉せんだんばの菩提樹です。
 ムクロジ科(モクゲンジ属)に分類されますから、お正月に羽子板で羽根つきをする時の、無患子むくろじ(ムクロジ属)やレイシ(レイシ属)、フウセンカズラ(フウセンカズラ属)などとも親戚。
 モクゲンジは、花が終わった後、フウセンカズラに似た袋状の実をつけ、秋にはそれが熟して落ちてきます。
 袋の中に入っている実は、直径5ミリ弱。腕輪念珠ぐらいにはなるかも知れません。
 この木は、京都市左京区の「区民の誇りの木」に選定されているのですが、その選定基準は、1.歴史のある木(古木、〜が植えたと言われている木等) 2.大木(背の高い木、幹の太い木) 3.花がきれいな木、実が見事な木 4.形に特徴がある木(形がよい木) 5.地域で有名な木 6.公の場所から普通に見える木 とされています。
 吉祥院前のモクゲンジは、どの理由で選ばれたのか…。樹齢はまだ30年ほどで大木でもなく、植えたのはうちの住職。花は確かに綺麗で特徴がありますが、地域で知っている人はまずいない。外から見えないことはないですが、位置や日当たりなどの関係上、吉祥院の門をくぐらないとよく見えない……考えられる最も有力な理由、それは住職が「区民の代表者」として選定委員だったこと………深く追求するのはやめましょう。


吉祥院前庭のアジサイ。左の菖蒲に、モリアオガエルがいます
 紫陽花も、ガクアジサイがほぼ終わりに近づき、手鞠のような形の花が盛りとなっています。
 シーボルトが紫陽花を『日本植物誌』に発表したときの学名(Hydorangea macrophylla Ser.va.Otakusa)に彼の愛したお滝さんの名前を使ったことはよく知られていますが、今の手鞠の形をした紫陽花は、日本と中国に自生していたガクアジサイをヨーロッパで品種改良したものです。
 日本は弱酸性〜酸性土壌が多いために、青色の紫陽花がほとんどで、花名の語源も、花が青くたくさん集まって咲くという意味の「集真藍アヅサヰ」だと言われています。
 雨がとても似合う花ですが、あまり雨が多いと、花についた雨粒の重みで首をかしげてしまうのも可哀想です。

 16日に今年初めての卵塊を菖蒲の花に生み付けたモリアオガエル。その2日後も2回目の産卵をしましたが、私があまり執拗にのぞき込んだものですから、途中で産むのをやめてしまいました。
 「人の恋路の邪魔をする奴は、馬に蹴られて死んじまえ」。カエルの恋路の邪魔をしてしまいました。ゴメンナサイ。