5/31版
時折、葉の密集した大きな木がものすごい音をたて、しばらくして身体を揺り動かされるような風が吹いてきます。 向こうで吹いているなぁと眺めていたら、不意にこちら側でも吹き始める。風の神さまが、我が物顔に境内に陣取っているような感じです。 地面には折れた枯れ枝がいっぱい。かわいそうに、まだ新しい葉を付けたままの若梢も落ちています。 空は、雲一つない青空と曇り空にはっきり分かれ、なんとも奇妙な天気です。やはり、嵐の前なのですね。 いつもは動きの少ないライブカメラですが、今日はじっと見ていると酔いそうです。 5月中の台風上陸は1965年以来38年ぶりで、過去3番目に早い記録とか。今度の台風、気がついたら、ついそこまで来ていたという感じがしませんか。 更新の日は嵐だと思ったので、晴れた日に写真を撮りました。櫨の花です。 高木で、あまり目立たない花なので、本当は注意していないと開花に気づき難いのですが……実は、すぐに咲いていることがわかるのです。 蜜蜂でしょう、櫨の花が咲いてくると、すごい数で押し寄せてきて、その「ブーン」という羽音で、「あっ、櫨が咲いたな」とわかるのです。 甘い匂いも漂ってきます。 直接、櫨に触れなくても、櫨を燃やした焚き火の煙や、木の近くを通っただけでもかぶれてしまう人があるらしいのです。 私は以前、ようやく新葉の出かけた櫨の木を、そうとは知らず植え替えて、大変な目にあったことがあります。 今回、この更新の写真を撮るために、土塀の上に登って、花に近づいたのですが、あろうことか、頭が枝に触れてしまったのです。 ご存じの方もおられますが、私の頭は無防備です。「あー、しまったぁ、かぶれたかも…。パパイヤ鈴木のような髪型だったらなぁ…」と、悔やみました。髪の毛は、きっと身を守るためについているのでしょう。保温や陽射しを遮るためにも役に立っています。いつも、そう実感しています。 それからかつての悪夢が頭をよぎり、全身むず痒くなったのですが、幸い仏さまのご加護か、無事に今日の更新を迎えています。 櫨の実は、和蝋燭の原料になります。燃焼が安定していて炎がきれいで、油煙もほとんど出ません。「ジャパンワックス」と外国でも重宝されるそうですが、実の全量の約20%以下しか蝋成分は取れず、原料価格は白いパラフィンの15〜20倍、作る手間は8倍で、自ずと高価なため、なかなか使えません。 ネタがない時にこれ幸いと、紫陽花の葉に乗せて、撮影会。紫陽花の枝が風に揺られて、なかなかピントが合いません。 そのうち、蝸牛の重みで? 枝が根元からポキッと折れてしまいました。これから咲くのに、もったいない…。 更新作業をしているうちに、どんどん空は晴れわたり、一時は快晴に。昼過ぎから曇ってきましたが、風はピタリと止んでいます。 台風はいま高松あたり。雨雲は岡山近辺までやってきています。嵐の前の静けさでしょうか。 明日から6月。お坊さんの衣も、見た目涼しそうな夏用に「衣替え」です。 |