5/3版 
真如堂 NOW !!



新緑と青空
 連休も後半、いかがお過ごしでしょうか? お天気に恵まれ、絶好の行楽日和ですね。
 新幹線や高速道路は混雑しているようですが、そんな喧噪とは関係なく、境内でゆっくりと過ごす人の姿を見かけます。本堂の正面階段や境内のベンチは、汗をぬぐう人、おやつを食べる人や本を読む人、昼寝をする人などで「満員御礼」。ほのぼのとした、いい光景です。
 お寺というのは、信仰の場だけではありません。
 「苦しかった時、お寺のベンチに座って、何だかホッとしたなぁ」とか、「初めてデートしたのは、あのお寺だった」「長い廊下で走って遊んだなぁ」とか、お寺の堂塔や木々の1本1本、空間全体が憩いの場、癒しの装置。それも含めて、仏の慈悲。
 最近、そんな、自由に時を過ごせるお寺が少なくなってしまいました。お寺は、オープンスペースが基本ですよね。


本堂正面越しに見た新緑
 暑いと思ったら、急に寒さが戻ったりで、体調をこわしている人が多いようです。
 昨夜、いろいろな宗派のお坊さんで作る 薄伽ばがう゛ぁんKYOTO という会の集まりがあり、欧風懐石というのをいただきました。美味しかったです。それはどうでもいいのですが、十数人のメンバーのうち3人が風邪でダウン。欠席でした。
 今日のように暑いと、もう寒くはならないだろうと思ってしまいます。でも、若葉冷 青葉冷 新樹冷 田植冷という言葉は、これからの季語。まだ、安心できません。
 昨日は、八十八夜。「八十八夜の別れ霜」と言います。新茶には大敵の霜も、そろそろ終わりだそうです。6日は立夏。
 暑くなるにつれて、鴬も元気がなくなり、あまり啼かなくなってしまいました。

    鴬 も 元 気 を 直 せ 別 れ 霜      一茶


卯の花の垣根
 1日は、旧暦の4月1日。4月は「卯月」。卯の花が咲く「卯の花月」。稲の苗を植える「植月」、種が芽生える「産み月」が転じたという説などもあるようです。
 卯の花は満開。でも、歌のようには匂わない気がします。
 5月は、「三長斎月さんちょうさいげつ」と呼ばれる正五九しょうごくのうちの一つ。節目とされ、除災招福のための祈願やお不動さん、観音さん、お地蔵さんなどの縁日が催されることが多い月です。ボクも、1日には他のお寺の「大般若転だいはんにゃてん読会どくえ」という法要に出てきました。
 正五九の正月は新しい年の安泰を、5月は豊作と子孫繁栄、9月は収穫への感謝祭という意味でしょうか。かつては、この頃には家の普請や引っ越しはしてはいけない、慎重に過ごさないといけないと言われていたようですが、最近は気にする人もあまりいません。


若楓の下、さわやかな風薫る境内のベンチ
 連休は混んでるから、どこへも行かず、家の片づけという方もおられるでしょう。庭木の手入れやガーデニングという方も。
 あっという間に草が伸びましたね。それに、虫が出だしました。
 先日、草刈りをした後、頭に何か付いているようなので、払ったら、毛虫でした。かぶれたかなぁと心配でしたが、大丈夫でした。
 1年のうち最低1回は、蜂、イラガ、毛虫などいずれかの被害に遭います。そんな季節が始まったのですね。虫の被害も1年のお決まりですから、仕方ありません。
 鴨川の皐月さつきの床が始まりました。こんなお天気のいい日の夜は気持ちがいいでしょうね。床といえば、はもを連想します。鱧を食べるのは、5月〜9月頃。京の夏を代表する食材です。宇治の新茶もそろそろ。
 今夜の夕食を何にしようかと案じておられる方、目で、舌で、夏を感じるものにされてはいかが?