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明後日の小寒を前に、今年一番の寒波が近畿地方にもやってくるとか。ガラス越しに見ていると暖かそうな陽射しですが、一足とへ出ると強い寒風に包み込まれ、早く建物の中に戻りたいと思います。明日の朝は氷が張りそうです。 1週間前は玉のような蕾だったロウバイが咲き出しました。 蝋細工のような花だから、蝋のような艶が花びらにあるから、あるいは蝋月(陰暦12月。今日は旧暦12/2)に梅に似た花を咲かせるところから、「蝋梅(ロウバイ)」と名付けられたとか。でも、梅とは別の種類に属しています。 「唐梅」「南京梅」などという呼び方もあるようですが、なるほど中国っぽいですね。 全体がチョコレート色のロウバイもありますが、この素心蝋梅(ソシンロウバイ)が一番きれいな気がします。 ようやく咲いているのは、わずかな山茶花と椿。 そんな中注意深く歩いていると、馬酔木の花が10輪ほど咲いているのを見つけました。 何枚か写真を撮ってみたのですが、どれもピンぼけ。掲載するのを諦めました。 馬酔木の花期は長く、夏頃まで楽しめます。といっても、まだ見に来られてもダメですよ。わずかに10輪ほど。きっとどこに咲いているか見つけられませんから。 その藪に人の住めばぞ打薺(なずな) 一茶 雪が積もって静まりかえった藪の向こうから、ナズナを打つ音が聞こえてきそうな句です。 少し早いですが、7日は「七草」です。 「人日(じんじつ)の節句」とも言って、五節句の中でも、同じ数字が並ばない唯一の節句です。 人日とは「人の日」。中国は前漢の時代、1月7日に、人をもって吉凶を占ったといいます。ここから、この日に邪気を祓うために、七草の入った粥を食べ、1年の無事を祈ったのだといわれています。 ですから、7種の草にはそれぞれ意味が込められています。 セリ=競り勝つ ナズナ=撫でて汚れを除く ゴギョウ=仏体 ハコベ=繁栄がはびこる ホトケノザ=仏の安座 スズナ=神を呼ぶ鈴 スズシロ=汚れのない清白 語呂合わせというか、ギャグっぽいというか。そうしてでも、1年の無事を祈ったのですね。 その7種の草を、6日の晩に打つところから、さっきの句が出てきます。 右手に包丁、左手に火箸とすりこぎを持って、「七草ナズナ、唐土の鳥が日本の土地に渡らぬ先さきに、七草ナズナ」と言いながら、各7回、合計49回叩くそうです。 滑稽というか、おどろおどろしいというか…。もともとは鳥を追う文句だったようで、「唐土の鳥」とは、「鬼車鳥」などと呼ばれて、疫病を運ぶ鳥。その鳥を追い払って、その年の豊作を願う行事が七草粥と結びついたのかも知れません。 「粥」と言いますが、雑煮に入れる地方もあるようです。 一般的には11日ですが、京都では4日にする風習があります。 15日には小豆粥。 季節季節にこういった行事をしながら、天地の恵みに感謝していた古の心。大切にしたいですね。 塔の四隅についている風鐸が「カン カン」と鳴り出しました。かなりの風が吹いているみたいです。 寒波にご注意下さい。 |