12/28版
昨日までの冬型の気候がおさまって、今朝はおだやかな陽射し。昨日の風が街の澱んだ空気を一掃してくれたのか、朝日を浴びた西の山がきれいに見えました。 境内を歩いていても、斜めに差す朝日を受けた枝たちも、暖かく気持ちよさそうに見えました。 今日からお正月休みに入った人も多く、今日は買い出しや大掃除で忙しいのか、境内では誰ひとり姿を見ることはありませんでした。 北の山並みがすごく美しく、河畔にはジョギングやウォーキングをする人、犬の散歩をする人などが気持ちよさそうに過ごしておられました。、また、川の中では、京の冬の風物詩であるユリカモメたちが群れていました。 年の瀬の慌ただしさを忘れさせてくれる“癒し系”の風景。ボクも車を放り出して、その中に入っていきたいと思いました。 今咲いている花といえば、山茶花。でも、よく探してみると、いろいろな花が咲いていたり、蕾を持っていたりします。 今年、植え付けたばかりの丸葉ヒイラギに、小さい花が咲きました。 ロウバイの蕾も、今にも咲かんばかりに大きくなっています。馬酔木や梅も、来月後半には咲きだすでしょう。 そう、どこかでスミレが咲いているはず…。 千両や南天の実は、今のうち。もうしばらくすると、鳥たちが1粒残さず食べてしまいます。 派手さはないですが、そういう小さな発見も冬の楽しみの一つです。 そうそう、10/19版に写真を載せた「十月桜」はまだ咲き続けていますよ。 お寺の正月は忙しいばかり。お正月が来るからといって、少しもうれしい気がしません。 今日は午後から自坊のお餅つきです。 今時、餅つきをするところも減っていますが、スーパーで売っているような切り餅とは腰や延びが違います。でも、結構、重労働なんですよ。 京都のお雑煮は、白味噌仕立ての丸餅と相場が決まっています。でも、住職が千葉県出身のボクの自坊は、おすましに丸餅。 このお雑煮分布を調べてみると面白いですね。 他の多くの食べ物や風習でもそうですが、お餅の形も、関ヶ原あたりを境に、東は角餅、西は丸餅に大きく分かれます。 角餅は江戸生まれだそうですが、食べるときも、角餅はほぼ焼くのに対して、丸餅は焼かないことが多い。京風は、焼かずに煮込むのだそうです。 仕立て方としては、近畿一円と四国の一部は、京風の影響で白味噌。山陰の一部では小豆汁、越前若狭近辺では赤味噌。それ以外は、だいたいすまし仕立てです。 雑煮の具として、近畿・九州・関東では里芋を、東北・信越・関東・東海・九州では鶏を、但馬・丹波・中国・北九州・南紀・飛騨・信州・信濃では塩ブリ、越後では塩鮭を入れることが多く、豆腐を入れるところも多いようですが、これは昔から“ハレの日”に作って食べる貴重な食品だったなごりとか。 すまし仕立てに丸餅の自坊は、さしずめ、江戸の文化を取り入れて京風の丸餅と融合させたというところかな。 皆さんのところは、どんなお雑煮? さて、今年1年間、「苦沙彌のインターネット僧坊」をお訪ねいただきありがとうございました。 今年は、秋のJR東海効果もあって、約5万回のアクセスを記録しました。 このHPを通じて、真如堂をお訪ねいただいた方も多く、また様々なご縁もいただきました。篤く御礼申し上げます。 来年が皆さま方にとって素晴らしい年になることをお祈りして、今年最後の更新とさせていただきます。 来年も、どうかお訪ねくださいますよう、お待ちしています。 |