10/19版 
真如堂 NOW !!



十月桜 うしろの黄色や赤い色は、菊の蕾

 今朝から雨。
 雨は、明後日の月曜日まで続くとか。先週末以来続いていた汗ばむような気候も一段落し、今日の予想最高気温は昨日と比べて5〜6度低め。
 それでも、まだ少し蒸し暑い気がします。

 自坊では、「十月桜」の若木に、初めて花が咲き始めました。
 十月桜は、染井吉野のように一斉に開花するのではなく、少しずつ咲くタイプだそうで、11月まで咲き続けるようです。
 春の桜は、重く暑苦しいほどにも感じることがありますが、この桜はさわやかな感がします。ただ、まだ若木ということもあって、今咲いているのは20輪ほど。枝にパラパラ咲いているという感じで、見方によっては少し貧相。
 蕾の大きくなった菊と並べてあると、どうも奇妙な感じがします。


JR東京駅のポスター。見ているのは、吉野山のお坊さん
 境内の様子は、ほとんど変わっていませんが、徐々に訪れる人が増えています。
 先日、新幹線に乗って東京に行きました。
 新幹線の車中はいうまでもなく、JRの駅、地下鉄の駅など、ありとあらゆるところに、JR東海のキャンペーン「そうだ 京都、行こう。」の真如堂の紅葉風景のポスターが貼ってありました。
 ちょっと冴えない紅葉のポスターですが、普段見ている本堂や三重塔の写真をあちこちで見て、ずいぶん不思議な気分になりました。


カエデ(真っ直ぐ延びている木)ともみじ(樹高の低い木)と色づいている桜(奥の方)
 さて、来ていただいた方に満足していただけるような紅葉になりますやら…。境内はまだまだ青々としていますから、ご安心下さい。
 こんなことを言わなければならないのも辛いですが、今年は夏の水不足などでかなり不調の木が多いです。また、ただでさえ、近年の京都市の気候は平均気温の上昇など都市気候化傾向にあり、厳しい冷え込みも少なくなったために、紅葉があまり美しくありません。
 期待をされ過ぎませんように、ダメモトのおつもりでどうぞ。
 ねらい目は、おひさまの光が赤くなる夕方頃。でも、まだまだ早いですから、今、焦って来られませんように。


あざやかな柿の木の葉
 もみじの紅葉には年によって当たり外れがありますが、柿の葉は、毎年確実にきれいな紅葉を見せてくれます。
 しかも、緑から赤へグラデーションになっていたり、赤の中に緑の「シミ」があったりします。
 この葉を皿にして、秋の山の幸などを盛りつけるなんて、なんて贅沢な趣向でしょう! 食べるのが惜しいような、見事な絵風景でしょうね。
 栗・柿・ミカン…檀家さんの仏壇のお供えから、秋の深さを感じさせられることも多くなりました。
 燗酒も美味しくなってきましたねぇ。
 美味しい季節のものをいただけたり、杯を傾けたりできることの、なんと幸せなこと。感謝 感謝 身にしみて…。

 まったくの余談ですが…「隣の客はよく柿食う客だ」というのは早口言葉。「あれは坊主さよく来る客だ」。ネットで拾った、飲み屋さん発の句。こんなこと言われないようにしようっと。