9/21版 
真如堂 NOW !!



満開の曼珠沙華

 20日は彼岸の入り。人によっては今日から3連休。また、ご高齢の方には曜日など関係ない方も多く、今日はたくさんの方が墓参に来られました。
 自坊の吉祥院は、秋の彼岸の1週間、各家の墓所でご回向することにしているため、今日は朝からお墓に出ずっぱり。天気もよくて陽射しも強いため、夕方には頭の皮がヒリヒリ。UVを塗っておけばよかったぁ…。彼岸が終わる頃には、一皮剥けそうです。

 彼岸花は、今年も律儀に彼岸にあわせて満開です。
 彼岸花については、昨年9/16版でいろいろ書きましたので今年はやめておきますが、1年365日もあるのに、どうしてこの期を逃さずに咲くのでしょう。
 どの植物でも毎年ほぼ同じ時期に咲きますが、彼岸花はその年の気候にあまり左右されず、ほぼ彼岸に開花するような気がします。それとも、「彼岸」というイメージが強く、それにつられて律儀に咲くと錯覚しているだけかも知れませんが…。


十五夜前夜(20日)の待宵月
 今夜は、十五夜。仲秋の名月です。
 幸い天気もよく、よく見えるだろうという予報ですが、ひょっとして見えなかったらと思い、昨晩、待宵月の写真を撮りました。
 月の名前ってとてもロマンチックですね。-新月、二日月、三日月、黄昏月、弓張月、十三夜、待宵月、十五夜、十六夜、立待月、居待月、寝待月、更待月、二十三夜、二十六夜、月隠…。それぞれに蘊蓄があります。
 昨夜は陰暦8月14日。十五夜を待つ夜です。十五夜の晴曇がわからないということで、前夜晴れたチャンスに月を愛でる。
 「待つ心」を尊んで「待宵」と言う。あるいは、夕刻になってようやく姿をあらわした月は、暗くなるのを待ちわびていたように見えるから、「待宵の月」と言う。どれが本当か知りませんが、かえって充ち満ちた満月よりも情趣が深い気がします。
 もっとも、この写真では、待宵か満月か判然としません。
     待 宵 の 雲 う す う す と 流 れ 居 り     水士英
 まさにそんな空模様で、お月さまの位置と、雲の流れを待って、何度も撮しに出かけました。

本堂と待宵月
 旧暦8月15日の月は十五夜、旧暦9月13日の月は十三夜、今年は明日が十五夜、10月18日が十三夜です。それぞれ月を愛でる優雅な時ですね。
 十五夜には里芋を供えることが多いので、別名「芋名月」。十三夜には栗や枝豆を供えたことから、「栗名月」「豆名月」。
 今は食の季節感も薄れていますが、かつては自然と食と行事が一体となっていたのですね。収穫や季節の恵みに対する喜びや感謝の念が、そんな行事をより趣の深いものにしていたような気がします。
 十五夜と十三夜の両方の月を愛でるのが風雅とされて、片方だけは「片見月」といって嫌われたそうです。
 今夜、仲秋の名月をご覧になった方、10月18日の十三夜をお忘れなく!

 今、思い出しましたが、昨年の仲秋の名月は10月1日。ボクは、中国の西湖でその月を愛でたのです! 生涯忘れ得ぬ思い出です。その時、友人が100枚1000円で“ブランドもの”のスカーフを売り子から買わされ、配りきれないと半分譲り受けました。まだ残ってる…余談でした。

 境内は、JR東海のキャンペーンの影響か、例年より人が多い気がします。
 総門前のムクゲもまだ楽しめますよ。萩はこれから満開、見頃を迎えます。