8/3版 
真如堂 NOW !!



吉祥院中庭の蓮

 8月になりました。
 昨日のスコールのような雨と今日の薄曇りの天気のおかげで、今日は少し“涼しい”ような気がします。
 予想最高気温は34℃。明日は33℃。暑さのピークを超えたのでしょうか? 甘いでしょうね。
 7月、京都では気温が30度を超す「真夏日」が27日ありました。最低気温が25度以上となる「熱帯夜」も17日。これは平年値の3倍以上だそうです。毎晩、寝苦しくて、寝不足になっている人も多いようです。ボクもそうです。
 夜が明けてしばらくは静かですが、すぐにヒグラシが鳴き出し、それを圧倒するようにクマゼミやアブラゼミが騒ぎだします。その声を聞いているだけで、暑苦しくなってきます。
 そんな中、自坊の中庭では、蓮が咲き続けています。暑さの中、この花を見ていると、心の中から清々しくなっていくような気がします。
   開いた開いた   なんの花が開いた   れんげの花が開いた
     開いたと思ったら  いつのまにかつぼんだ

   つぼんだつぼんだ  なんの花がつぼんだ  れんげの花がつぼんだ
     つぼんだと思ったら  いつのまにか開いた

 わらべうたの『ひらいた ひらいた』ですが、ここで歌われている「れんげ」は豆科の「レンゲ」ではなく、蓮の花のことなのですね。
 蓮の花はポーンと音と立てて開くと言われますが、そんな音は聞いたことがありません。
 蓮は、午前5時ごろから少ずつ開花し、午前11時過ぎには閉じはじめて、午後3時頃には つぼみます。このくりかえしを2、3日繰り返して散っていきます。
 仏教と蓮は、切っても切れない関係です。
 例えば、一番皆さんの目に触れやすいのは仏像だと思います。ほとんどの仏さまは蓮華の花の台の上におられますね。『妙法蓮華経』というお経もあります。
 また、たくさんのお経の中に、蓮華にまつわる説話や比喩などが繰り返しでてきます。
 お釈迦さまが悟りを開かれた時、その教えを人に説いても理解されないだろう、説くことを断念しようと考えられます。その時、天から梵天が教えを説いて欲しいと懇請に来る『梵天勧請』という物語があります。お釈迦さまは、この時、汚い泥の中から生えながら、その泥に染まることなく成長して清浄な花を咲かせる蓮華をイメージして、教えを説くことを決心されます。
 また、蓮は花が咲くと同時に実が生じるという不思議な花です。花と実が同時であることを「因果倶時」といって、仏教の教えを説く時に比喩的に使ったりもします(チンプンカンプン?)。
 でも、いろいろ難しいことを考えなくても、見ているだけど気持が清浄になっていく素晴らしい花ですね。


紅白の百日紅
 ようやく境内の百日紅が咲き出しました。
 自坊の紅白の百日紅もやっとという感じです。どうして今年は開花が遅いのでしょう。
 例年、自坊の百日紅は赤が先に咲き、1週間ほど遅れて白が咲き出すのですが、今年は赤が遅れたため、ほぼ同時に咲き出しました。
 この写真は、2Fの自室から撮ったものです。夕方になると、このバックに西山や夕焼けが広がり、百日紅はシルエットになります。
 蓮も極楽ならば、この光景も極楽のような景色です。
 嫌なことがあった時などは、そんな自然の光景の中にスッポリと心を委ねれば、意外なほど気分が変わるかも知れませんよ。お試しあれ!

 さて、そろそろお盆関連行事に突入です! これから2週間が勝負です。
 皆さまも、まだまだ続く酷暑に御用心下さい。