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キリシマツツジが満開 |
ここ数日は、雨が降ったり止んだり。「走り梅雨」「梅雨の走り」という言葉が天気予報からも聞かれるようになりました。
「五月雨」や「青梅雨」など、季節を巧みに表す言葉が日本語にはありますね。
5月は晴れた日が多いという印象がありますが、そうでもないようです。「五月晴れ」という言葉も、陰暦では5月が梅雨の時期にあたり、その束の間の晴れ間をそう呼んだのが本来の使い方とか。今では、5月の爽やかな晴天もそう呼ぶようになったようです。
21日は二十四節気の1つ「小満」。この頃になると麦が穂をつけ、ほぼ満足できるという意味で「小満」とか。『改正月令博物筌』(1808)には「小満の日を麦生日という。晴天なれば麦大いに熟す」とあります。「麦秋」と呼ぶのも納得できますね。「あき」とは、百穀百果の成熟の時、収穫の時を意味するらしいですから。
あざやかな「黒姫」 |
朝、このページの更新のために写真を撮ろうと境内を歩きましたが、続いた雨のために石畳は滑りやすく、地面の赤土もぬかるんでツルツル。歩きにくかったです。
木々の緑も落ち着いてきました。
ツツジは終わり、キリシマツツジが境内のあちらこちらで満開になってきました。
4月の桜の頃から様々な花が順番に咲き、季節の移ろいを追っているだけで、このページの更新ができましたが、それも一段落。ちょっと困ります。毎週、紫陽花の写真になりそう…。
吉祥院の庭では、今4〜5種類ほどのガクアジサイが満開です。
よく見る「普通の」アジサイは、ガクアジサイを原種として日本で改良されたもので、奈良時代からあったといわれます。
ガクアジサイの学名は 「七段花」? いえ、「剣の舞」 |
「ハイドランジア・オタクサ(Hydrangea otakusa)」。このオタクサは、シーボルトが日本の妻「おたきさん」の名をとってつけたものだということは、よく知られています。今、よく出回っている西洋アジサイは、日本のガクアジサイがヨーロッパで鉢物用に改良された後に、里帰りしたものです。
「紫陽花」と書いて「アジサイ」と読むのはどうして? このように表記するようになったのは、平安時代前期以降頃とか。それ以前の万葉集には、「安治佐為」などと詠まれています。
「招賢寺に山花一樹有り。人、名を知ること無し。色は紫にして気は香ばしく、芳麗にして愛すべく、頗る仙物に類す。因りて 紫陽花 を以って之に名づく」という『白氏文集』(白居易)が「紫陽花」表記の原点。でも、アジサイはもともと中国の植物ではないので、『白氏文集』にいうこの花は、日本でいうアジサイとは別だと言われているそうです。ちなみに、今の中国では「洋毬花」と書くそうですよ。
黄菖蒲の花とカラスアゲハ |
蝶々が黄菖蒲の花から花へヒラヒラ飛び移り、蜜を集めているようでした。
黄菖蒲の花びらの柔らかさと、蝶のやわらかい動きが、とてもマッチしています。
朝、パラついていた雨も上がり、今は曇り空。来週は晴れるようですね。これこそ「五月晴れ」。
さぁ、晴れている間に、生け垣やツツジの刈り込みをしてこようっと!