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真如堂 NOW !!



サザンカの垣根におりた霜

 今朝は久々に冷え込み、最低気温は−1.4℃。快晴による放射冷却現象で気温が下がったそうですが、昨夜の天気予報で「かなり冷え込む」と言っていたわりには、張っている氷も薄く、それほどでもないような感じです。
 昨朝、境内はうっすら雪が積もりましたが、市街地では屋根も白くならなかった模様です。今年はちゃんとした雪景色を見ることもなく、このまま春になるのでしょうか? 春は恋しいですが、一度くらい雪景色を見たい気がします。
 朝、近所を散歩していると、黒谷(金戒光明寺)の南東の木立で、アオサギが騒いでいるのに出会いました。10羽以上はいるでしょう。高い樹の上に、直径40〜50センチの巣を作り、集団生活をしています。

“鈴なり”アオサギ。どうやら巣作りの最中   撮影・提供 トトロママさん
 アオサギは翼を広げると1.5m以上もある、日本最大のサギ。ゆったりと飛ぶ姿は美しく、鶴やコウノトリと間違えられることもあるそうです。
 夜はこのような場所で過ごし、昼間は鴨川や琵琶湖疏水などで魚を捕って腹ごしらえをするのでしょう。
 大きな声で啼きますし、雨の日などは糞が匂うこともあるので、近所の人は大変だと思います。この鳥が啼くと雨が降るという言い伝えもあるようです。

 もう少し巣に近づいて写真を撮ろうと、黒谷の文殊塔の付近の墓所に行きました。
 樹下では、サギたちに向かって1匹の野良犬がさかんに吠えていましたが、サギは一向に気にしていません。とても美声とはいえない啼き声を出しながら、大きな羽を半開きにして、枝から枝へ移ったりしています。
 南面した高い樹の上は日当たりも最高で、暖かそうでした。
 枝に遮られて写真を撮ることでできないので、墓地を散歩しました。京都の3指に入る広い墓地。古いものから新しいものまで、綺麗な花があがっているものもあれば、もう何十年墓参されたことがないだろうと思わせるものまでいろいろ。著名な人のお墓も多数あります。
 たまたま、フランス文学者の桑原武雄さんのお墓を見つけました。かと思えば、「不改老人墓」という墓碑銘。どんな老人だったのでしょう? 何を改めなかったのでしょう? 改める必要のない、理の通った老人?

無縁仏の塔と梅(真如堂墓地)
 あるいは、「一笑居士」と大きく彫られたお墓。泰然と大笑いするのを常とした傑物だったのでしょうか? 「正三位」などと彫られたお公家さんのお墓が崩れていたり、大名家の墓があったり…。墓碑を見ながらいろいろと想像を巡らせて散策したこの時間は、実に「豊か」でした。

 今週はカメラを持ってどこかへ「取材」にと思っていましたが、風邪をひいてしまいました。
 来週は、何か「動き」があるといいなぁ…。