12/8版 

真如堂 NOW !!


銀杏の落ち葉の積もった垣根に咲く季節はずれのつつじ

 「寒いなぁ」。今朝、布団を出るとき、そう思いました。今朝の最低気温は1.9℃。しばらく、冷え込む日が続きそうです。
 境内はひっそりして、2〜3週間前の喧噪が嘘のよう。
 耳を澄ませると、赤ゲラでしょうか、巣にする穴を穿っているのでしょうか、樹の中にいる虫を捕らえようとしているのでしょうか、機関銃のような早さで樹をつつく音が聞こえてきます。夕方には、渡り鳥が群をなして飛ぶ姿を見るようになりました。
 もみじにはまだ少し赤い葉を残している木もあり、樹下では踏み荒らされた落ち葉が掃除されるのを待っています。


落ち葉掃除が日課になっています 12/7夕

 掃除をしていると、「今年は落ち葉が少ないのかなぁ」と思います。たくさんの落ち葉をほうきで掃くのは結構な重労働で、集めた葉を腐らせるために集める場所も、例年はたちまち溢れてしまいます。今年はなぜかしら楽で、集積している場所にも溢れんばかりの落ち葉はありません。
 数年前から、落ち葉掃除にはほうきを使わず、「ブロア」と呼ばれる風力でゴミを飛ばす機械を使っています。ほうきで掃くと、苔を傷つけたり、狭いところの落ち葉が掃除できなかったりするのですが、ブロアはそのようなこともなく、作業も楽です。
 本堂周辺も例年は職員がエンジン付きのブロアで掃除をするのですが、参拝者からクレームがあったようで、掃除もあまりされず、踏み荒らされた落ち葉が残っているわけです。それをまた、「今年は掃除が行き届いていない」と言う人もいて、職員も困り顔です。
 吉祥院のブロアは電動で静かなこともあり、毎日の落ち葉掃除が日課になっています。
 どうして、落ち葉が少ないと感じるのか判然としませんが、枯れて縮れた葉が枝にたくさんついているもみじの木が多いことは確かです。
 葉はすっかり落ちているもみじの木でも、たくさんの種を梢いっぱいに付けたままの木が例年よりずっと多いように思います。
 今年の紅葉は、あまり寒くもないのに早く色づきだし、例年だと今頃までは楽しめるはずが、そそくさと早めに終わってしまいました。
 「永観堂さんは夏の暑く雨が少なかった時期に熱心に撒水をされたから、紅葉もきれいだった」という話を聞きました。梅雨の少雨は今年の紅葉に大きな影響を与えたと思います。

枝に付いているのは、葉ではなく種です。 拡大すると

 もみじがたくさんの種を梢につけているのは、そういうことと関係があるのかも知れません。例えば、種(しゅ)の保存に危機感を持っているとか。もみじに聞いてみないとわかりませんが…。
 この細かい種はなかなかのくせ者で、以前、この種や細かい落ち葉が青天に駐車している私の車のクーラーの冷却器を詰まらせ、結局そっくり交換せざるを得なかったことがあります。
 春になると落ち葉の捨て場からたくさんのもみじの種が発芽しますが、ほとんどすべて枯れてしまいます。
 かと思うと、木の股にうろになってジメジメしている部分があったりすると、そこから芽を出して大きくなることもあります。
 不思議なものですね。

 さて、今からお越しになるという方、残された限りある見所は、本堂の裏あたりにわずかにのこるもみじの紅葉と、そろそろ朽ち始める赤いサンシュユの実でしょうか。
 今朝、このページのために写真を撮りに境内を散策して、本堂の横から裏へ曲がろうとした時、このもみじの紅葉が目を引きました。朝日を受けて、とてもきれいでした。(←)
 天気のよい日の朝か夕方でしたら、まだまだ楽しめます。往事のような華やかさはありませんが、ご自分のペースを崩すことなく、ゆっくりとお楽しみになれることと思います。ただし、あまり期待せずにお越しください。
 サンシュユの実も光を受けるとキラキラときれいですよ。(↓)


 今日、12月8日はお釈迦さまが悟りを開かれた日です。あちこちのお寺で「成道会(じょうどうえ)」が勤められたりします。
 菩提樹の木のもとで瞑想されていたお釈迦さまは、暁天に明星の輝く頃に悟りを開かれたと言われています。今もお寺に菩提樹を植えるのはここに由来するわけですが、インドの菩提樹(ピッパラ樹)と日本の菩提樹はまったく種類の違う木です。

 今年も残すところあと3週間。今年のことは今年のうちに…。そろそろお尻に火がついてきます。