11/3版
真如堂 NOW !! |
文化の日の今日は、朝から小雨模様。さほど寒くはありませんが、せっかくの連休だというのに、もったいないお天気です。そのためか、境内の人影もまばら。
さて、11月。いよいよ本格的な観光シーズン到来です。前回お知らせした特別拝観をはじめ、夜のライトアップなども始まりました。
肝心のもみじの紅葉ですが、やはりかなり悪いように思います。
美しい紅葉の条件として、◇充分な日照 ◇5度前後の最低気温 ◇適度な水分 が必要だと言われます。最低気温はまだ5度まで下がっていませんので何とも言えませんが、空梅雨以来、適度な水分は欠けているようです。もみじの葉の中には縮れたり、赤黒く色づいているものなども多く、抜けるような紅葉は、残念ながら期待薄です。
京都地方気象台は、敷地内のイロハカエデで紅葉になる時期を測定していますが、この測定データが残る74年から90年までの紅葉日の平年値は11月30日。74年から98年までのデータで再計算してみると、平均で12月1日となるそうです。
気象台は市街地にありますから、郊外より気温は高めでしょうが、京都の11月中の最低気温の平均値は、90年までは6.3度、99年までだと7.0度と0.7度アップしています。
ヒートアイランド現象は、秋の紅葉にも影響を及ぼしているようです。
本堂裏の山茱萸(サンシュユ)の実が真っ赤に色づき、今が一番の見頃です。
食べても苦いためか、野鳥も好んで食べようとはせず、実がなくなってしまうことはありません。でも、「ちょっと俳画のお手本に…」とか言って、枝ごと折ってしまう人もいて、実のきれいなこの時期は木にとっても受難の時です。
山茱萸(サンシュユ)は、もともと中国・朝鮮半島の原産で、約270年前に漢方薬用としてもたらされ、八味地黄丸などに処方されていて、糖尿病、腰痛、動脈硬化、前立腺肥大などに有効とされているそうです。また、山茱萸酒にしても、老化防止、滋養強壮剤となるようです。
天気のいい、陽の光が照りつけるような日には、実が輝いて見えますよ。
さて、5日からは「お十夜」法要が始まります。
この鉦の音が冷え冷えと静まりかえった境内に響く頃になると、いよいよ初冬の気配が漂ってきます。7日は立冬です。
自坊の吉祥院では、住職が丹誠込めて育てた菊の展示公開が始まりました。
菊の開花も、今年は早いような気がします。
菊は、中国ではその高潔な美しさを君子にたとえて「四君子(竹、梅、蘭、菊)」の一つに数えられています。
俳人は、詠んでも、食べても楽しんでいたようです。