9/16版 

今日の真如堂?


彼岸花 曼珠沙華

 昨日からの雨も上がり、少しずつお天気も回復してきました。今週は、秋晴れの日が続くのでしょうか?

 彼岸花が先週から咲きだし、「今年は早いなぁ」と思って以前のこのページを確かめてみました。去年と今年の9月16日では咲き具合が変わりませんが、一昨年の今頃はまだ咲いていません。紅葉の進み具合も、去年と同じと考えたらいいのでしょうか。

 「彼岸花」は「曼珠沙華」とも呼びます。「彼岸花」と呼ぶのは彼岸の頃に咲くからでしょうが、「曼珠沙華」と呼ぶのは『法華教』の「摩訶曼陀羅華 曼珠沙華」などに由来すると言われます(曼陀羅華はチョウセンアサガオを指す)。
 「死人花」「幽霊花」「墓花」「テクサリ(摘むと手が腐るの意)」と不名誉な名前で呼ばれることもあるようですが、「曼珠沙華」は梵語で「天上の赤い華」という意味で、お経の中では天が仏の徳を讃えて花を散らすという場面などに記されています。もちろん、インドの原典に書かれた曼陀羅華・曼珠沙華と日本でいうそれらとは違うでしょうが。

   弁柄の 毒々しさよ 曼珠沙華        許六
   なむあみだ仏 なむあみだ仏 まんじゅさ花  一茶


境内の彼岸花 彼岸花が終わってしばらくすると、銀杏がいっぱい落ちます

 皆さんが、彼岸花の咲く光景として想像されるのはどのようなものでしょう? 田圃の畦に群生して咲く光景でしょうか? 墓地などに咲く姿でしょうか?
 彼岸花は、仏教の伝来と共に中国から伝わったとされますが、飢饉の時の非常用食料でもあったようです。田圃の畦などは掘り荒らされない場所として選ばれたという説もあります。
 彼岸花には毒があると子供の頃から聞かされていますが、それは確かで、リコリンなどのアルカロイドが含まれ、間違って食べると嘔吐や下痢など起こし、ひどい場合は呼吸麻痺を起こすとか。それでも、鱗茎には多くのデンプンが含まれていて、何度も晒して毒を抜き、雑穀の粉混ぜてすいとんや団子にして食べられるようです。
 有り余るほど食べるものがあふれる現代、今さら彼岸花を食べる必要に迫られることはないでしょうが、昔の人は何でも工夫をしていたものだと感心します。

   赤い花なら曼珠沙華  阿蘭陀屋敷に雨が降る  濡れて泣いてるじゃがたらお春
     未練な出船の ああ鐘が鳴る  ララ 鐘が鳴る  『長崎物語』(梅木三郎作詞 佐々木俊一作曲)

 オランダと曼珠沙華は関係ないでしょうが、この花の紅さが、どことなく異国情趣を醸し出すのでしょうか?


本堂前 茶所の萩

 さて、もうすぐお彼岸の入り。来週墓参に来られない人が、この連休、ボツボツ起こしになっています。彼岸花も咲いて、シュチエーションはもう出来上がっています。

 萩が満開になってきました。萩の名所、京都御所の東隣の梨の木神社では、今日から萩祭りが始まったようです。萩…枯れ尾花…月…団子、十五夜は10月1日、もう少し暑い日が続きそうですね。

 今週も来週も、1週おいてその次の週も連休。季節もよく、お出かけにはピッタリですね。