6/2版
今日の真如堂? |
6月に入り、街ゆく子供の制服も衣替え。坊さんの衣も6月1日が更衣日となっていて(宗派や地域で異なる)、見た目は涼しそうに変わるのですが、お腹のあたりは何枚も重なっているので暑いのは変わりなし。
天気予報で梅雨の話題を聞くことが増えました。近畿地方は6日に入梅の予想。平年より2日早いそうです。
境内にあまり大きな変化はありませんが、自坊の前庭で櫨(はぜ)の花が咲き出し、その甘い香りに誘われてミツバチが群をなしてやってきています。そうと知らない人は、樹下を通るときにその羽音に驚かされ、思わず上を見て足早に過ぎていきます。
「山深み 窓のつれづれ とうものは 色づき染むるはじの立枝」(西行法師)とあるように秋に真っ赤な紅葉を見せ、実も黄色くなります。その実を蒸してしぼったものから和ろうそくができ、また関取の鬢付け油として、ハンドクリームとしても利用できるとのこと。心材も黄染に用いたり、かつては弓の材料にもなったという、とても有用な植物です。
子供の頃、この木が櫨だと知らずに、掘り返して植え替え、その夜からしばらく猛烈なかゆみにおそわれたことを思い出します。樹液の多くあがる今が一番かぶれやすい時期かも知れません。秋の紅葉があまりに見事なもので、通りがかりの人が落ちた錦色の葉を拾おうとされることも多く、看板を出したり、「かぶれるかも知れませんよ」と声をかけることもしきりです。
やはり前庭では、「七段花」が咲き出しました。戦後、神戸の六甲で再発見された“幻の花”ですが、ボクは種苗メーカーの通販で入手しました。小さな八重の花ですが、まだ咲き始めたばかりで、色が定着していないような感じです。
この他にも「墨田の花火」という白い八重の大きなガクアジサイも咲き出してきました。こちらは最近花屋さんの店頭などでよく見かけます。
「咲き出した花を見て あわてて即効性肥料やり」 俳句ではないのですが、色が薄い花を見て気が付いたように、昨日、化成肥料をやりました。
ところで、前庭には自作のビオトープである小さな池があります。このコーナーで今までに何度もお知らせしていますが、毎年この小池で天然記念物のモリアオガエルが産卵します。昨年は5月24日に泡の塊のような卵を産んだのですが、今年はまだなのです。
花などを見ても例年より少し遅れていますし、先日聞いた話ではフランス鴨の産卵も遅れ気味とか。毎年恒例の楽しみが未だ見られないのが心配です。
そんな時、池の中でゴソゴソと動いているものがいました。亀! です。体長5センチほどの子亀が池の中を“遊覧”しているのです。
10日ほど前、大きい亀が池にいたので、「どうしてこんなところにいるのかなぁ…境内の池から逃げてきたのかなぁ」と思っていました。その子供でしょうか?
7〜8年前、庫裏を増築するために地面を掘っていたら、やはり同じような大きさの子亀が3匹土の中から出てきたことがあります。庫裏を「竜宮御殿」という名にしようかと思ったというのは余談。亀は水から離れた土の中で産卵するそうですね。
今度出没した亀も、孵化して、少し大きくなって、親亀と一緒に水のところへ戻ってきたのでしょうか? 親亀はそれ以来姿を見せませんが。
このカエルと亀、オタマジャクシは亀の餌になるそうです。亀がいるのを察知してカエルが産卵しないのだろうかと、亀を捕まえてみましたが効果なし。しばらくは事態の推移を見守るしかないかなぁと思っています。
目を転じて見れば、いろいろ楽しめる前庭です。
来週は梅雨の最中から「今日の真如堂」ですね。雨もまた楽し。
ご心配いただきましたハードディスクのクラッシュですが、新しいHDに交換し、システムも再インストールして、すこぶる快調です。