3/10版 

今日の真如堂?


本堂内での“語りと音楽の夕べ”。本堂にチェンバロ・フルートが初お目見え

 一気に冬に舞い戻った昨日・今日。昨日は10センチ以上も雪が積もりましたが、3月の積雪は京都では4年ぶりとか。それでも、真冬の雪のようではなく、何となく冬の最後の「抵抗」のよう。雪が降ってもそこに春を見るなんて、ちょっと勝手かな。

 少し昨日の雪の残る今日、本堂では4時半から<没後30年 尾瀬と平野長靖に捧げる語りと音楽の夕べ>が開かれ、約600人の方が参加されました。
 平野長靖氏は尾瀬・長蔵小屋の3代目。昭和40年前後、尾瀬に予定されていた道路の建設に反対し、その計画変更を勝ち取った、日本の自然保護運動の歴史に大きな奇跡を築いた方。その平野氏が京都大学時代に下宿していたのが真如堂であることから、その追悼のため、大学時代の友人などが今回のコンサートを企画されました。
 寒い時期の開催を希望されていた奥さんの平野紀子さんの願い叶って、今日はとびきり寒い日になりました。受付で携帯カイロを貰った参加者も、さすがに寒そうでした。

3/8の雪景色。3月の雪は4年ぶり

 平野長靖氏の著書『尾瀬に死す』は、ボクが15才の時に新聞の書評を見て買った本。それ以来、ボクの忘れ得ぬ愛読書の一つになりました。ボクが今登山を趣味とする原点の一つはこの本にあり、長年あこがれていた尾瀬をやっと訪れた時から、ボクの登山歴が始まりました。また、祖父からの山小屋を嗣ぐか煩悶していた彼とボク自身は重なるところがありました。
 そういうことからも、今回のコンサートはボク自身にとっても大変嬉しいものでした。

 お知らせするのをすっかり忘れていますが、本堂では涅槃図2幅が公開されています。15日は涅槃会。人も一気に増えて、時々少し賑やかな境内です。