01/01/01版 

今日の真如堂?


鐘の内側には寄進者の名前がぎっしり。写真をクリックしてみてください

 明けましておめでとうございます。今年も『苦沙彌のインターネット僧坊』をよろしくお願いいたします。

 さて、お正月。皆さんはいかがお過ごしでしょうか?
 故郷で? 自宅で寝正月? 神社仏閣を初詣のハシゴ? 皆さん、それぞれの形でお過ごしでしょうね。
 ボクは、除夜の鐘を撞き終わって自坊に帰り、このページを作るのが今年のスタートとなりました。このページをアップし終わったらすぐに寝て、明日早朝、元旦のお勤め「修正会」。2時間ほどしか寝ていられないのですよ。

 今日から新世紀ということで、京都でも昨夜は市役所前付近などで、伝統行事など再現したようなイベントがたくさん行われ、また大文字などの送り火が灯されました。
 ボクも自坊の裏の墓所からチラッと眺めましたが、お盆と違い、他に人影もなく、ただ寒空に「大」の字が浮かび、あっけなくすぐに消えていきました。
 今度の護摩木(薪)はすごく細く、火持ちが悪かったのでしょうか? お盆以外に五山すべてが点火されるのは初めてのこととか。大々的に宣伝したわりには期待はずれかな。送り火はやっぱりお盆の行事ですね。でも、空気が澄んでいる分、クリアに見えました。


真如堂墓所から見た大晦日の大文字

 大晦日は朝から雨。午後も時折しぐれるようなお天気。でも、幸い、鐘の頃には曇天。多くの人で賑わいました。
 12時前から僧侶が撞き始め、その後、一般の方が6人で1撞き。今年、鐘を撞きに来られた方は、新世紀を迎えるためか、例年よりずっと多い約600人。順番待ちの列は100メートルほど続き、一時は本堂前の井戸屋形の前まで。
 家族連れ、恋人同士、友達など、様々な組み合わせの人たちが和気藹々と鐘突きに来られました。また、京都大学などが近い真如堂には、多くの外国人が撞きに来られます。
 鐘楼下のテントでは甘酒の接待が大忙し。こちらは約550杯で、品切れ。ボクはもっぱら甘酒接待所に。甘くないお酒が好きなのですが…。
 どうやって鐘の数を数えるの?という質問が多いのですが、これは数珠で勘定するのですよ。プロ用?の数珠は、一回り108玉。これが一回りすれば108。いとも簡単!

 年始もお寺は大忙し。
 朝の修正会のあと、僧侶一同が年頭の挨拶の儀。今、真如堂の僧侶は全員で11人。衣姿のまま、年賀の挨拶をし、屠蘇。京都のお正月のお菓子である花びら餅と薄茶、昆布茶などをいただきながら、しばしの時を過ごします。
 自坊に帰って、自坊の修正会。その頃から、年始の挨拶や墓参に檀家の方が来られ始めます。三が日はほとんどその対応に追われます。4日頃からは、こちらから檀家の家に年始回りに伺います。一通り終わるのが、七草の頃。それまでは気が休まりません。
 お年玉もらって遊んでいられた頃がよかったなぁ。

 「今日の真如堂」のはずが、話題はすべて昨日のこと。まぁ、いいか。
 とにもかくにも、今年もざっくばらんにまいります。よろしくお願いいたします。   。  



       

 皆さん、明けましておめでとうございます。
 新しい年を迎え、いかがお過ごしでしょうか?
 日本中のあちらこちらから、また海外から、『苦沙彌のインターネット僧坊』をお訪ねいただき、ありがとうございます。
 お寺というのは中で何をやっているのか、また坊さんはどんなことを考えているのか、とてもわかりづらい。ホームページを使っていろいろなことを発信し続けることで、あるいは気楽なおしゃべりの中から、少しでも興味を持っていただき、お訪ねいただければ…そう思ってこのページを作るようになったのは96年の12月。今年は足かけ6年目になります。
 時々、新聞などで取り上げていただいたりもしますが、なぜ記事になるのでしょう。今どき、お寺のホームページも珍しくないでしょうに。
 でも、なぜ好意的な記事にしていただけるかと考えると、いかにお寺が無口すぎるか、世の中の動きや人の心に無関心であるか、その失望への裏返しであるような気がします。
 若い頃、お寺を嗣ぐのが嫌だったボクが、積極的に坊主をやろうという気になったのは、そういう現状には満足しない処し方をしようと思ったからです。ホームページもその一つの形です。
 いろいろな人がこのページを訪れ、ある人は境内の四季の移ろいを感じ、またある人は見知らぬ人との出会いに心を和ませる。ある時、「あっ、真如堂に行ってみよう」と訪ねていただいて、本堂に座ってお線香の匂いをかいだ時、心の底からしみじみと癒される…。そんな人がいてもいいですよね。
 いろいろな出会い、縁のひとつに、このページなれればいいなぁと思っています。
 ただひっそりと眺めていただくもよし。ボードに書き込んでいただくもよし。こっそりメールをいただくもよし。
 今年も皆さんの様々な形でのご来訪を大歓迎いたします。よろしくお願いします。

       苦 沙 彌