3/5版
並んでまつられている涅槃図 |
先週は雪あり、春日よりあり、雨ありの1週間でした。昨日の雨が一転して、今日は快晴。暦の上では啓蟄。寒くもなく、「今日は外へ出よう」と思わせるようなお天気です。
3月1日から、本堂で大涅槃図の拝観が始まりました。
この涅槃図、1707年に完成したもので、当時の三井家の女性たちが、浄土系の僧 厭求に依頼し、海北友賢らが代工となって制作したものです。高さ約6メートル、幅4メートルの大きなものですが、古いパンフレットには8m×6mなどと記載されています。これは間違いです。(^_^;)
脇には、南北朝時代の画僧 吉川明兆が描いたといわれる涅槃図が並んでおまつりされています。
制作年代に350年ほどの差があるのでしょうか、よく見ると描かれている動物の多さなどが違います(新しい方が多い)。また、大きい方には猫が描かれています。これもいろいろな解釈がありますが、時代が下がるに従って家畜類を描く傾向にあるので、そのためではないかと思います。
完成した三重塔へ上っていく参道 |
美術に関心がある方なら、両涅槃図を比較してご覧になるのも興味深いでしょう。
興味深いといえば、写真にはありませんが、両涅槃図の脇に狩野山雪筆の「寒山拾得」の大きな軸が展示されています。少々不気味な絵ですが、ファンも多く、今回リクエストもあって急遽展示しました。
なお、これらの展示は3月中に限ってのことで、花供曽(なはくそ)というあられ付きで拝観料600円です。
花供曽はもともと「花供御」と言われていたお供え物が訛ったものだと思います。今の真如堂の花供曽は、餅を小さく切って軽く焼き、それに黒砂糖を絡めたもので、京都の菓子屋「田丸弥」で作っていただいています(量は田丸弥さんの方が多いですが、400円です)。
ボクの子供の頃、この花供曽は黒豆を炒ったものでした。「はなくそ」というので、それを鼻の穴に入れて取れなくなり、難儀した記憶があります。いつから今のものになったのでしょう。
1月より始めた参道の補修工事が竣工しました。真新しい白い石の参道で、まだ周りとは調和がとれませんが、日を重ねるに従って馴染んでくるでしょうね。
さぁ、一斉に木々が動き出す日はもう間近ですよ。