11/23版
今日の真如堂?


 境内は紅葉のシーズンから焚き火のシーズンへと移りつつあります。
 22・23日の連休多くの方にお越しいただき、そしてあそらく小春日和と予想されている明日もたくさんの方が真如堂にお越しになることと思います。当ページをご覧の方々も何人かお越しくださいました。
 せっかくお越しになったのに、残念ながら紅葉のピークは既に10日ほど前に過ぎてしまい、さぞがっかりされたのではないかと思います。

 たとえとしてあまり適切ではありませんが、お経の中にこういう話があります。
 ある国の王様が目の不自由な人に象という動物を体験させてあげようとします。
 招かれた盲人たちは象を触って、それぞれに「ああ、象ってこういうのものなのだ」と感じました。
 王様は、参加した目の不自由な人たちを呼び、感想を聞きます。「象を触ってどうであった?」
 ある人は、「象というのはずいぶん薄いペタペタしたものです」。またある人は「大木のように大きく丸いものです」、あるいは「紐のように細くて丸いものです」とそれぞれに応え、あまりに皆の言うことが違うのでしまいには喧嘩になってしまいました。
 象の耳を触った者、足を触った者、しっぽをつかんだ者、それぞれのこたえに間違いはないのですが、全体として象をとらえることが出来なかった。真実もそれに似ているということの寓話です。

 で、長くなりましたが、真如堂の紅葉も私のようにずっとそこに住んでいて眺めていると、「今が一番いい」という紛れもない一瞬があるのですが、その時だけ訪れた人にはそれがわからず、「大したことナイなぁ」「わぁー素晴らしい!」などとそれぞれの感想を述べておられる。
 自然の美しさ大切さっていうのは、表面的な見方ではなく、長いスパンの中でとらえて初めて実感としてわかるものであるし、自然保護などというものも自分勝手な利害や思惑で叫んでも虚ろなものだなぁと思うのです。

 紅葉の話から脱線!!
 これからは落ち葉の掃除とそれを燃やす焚き火の煙が境内をおおうようになります。
 環境の観点からできるだけ枯れ葉の焚き火を控え、積んで腐らせるようにしてはいますが、焚き火をまったくしないわけにはいきません。
 枯れ葉を燃やす焚き火で作った焼き芋の味は格別で、掃除のあとの“ご褒美”でもあります。
 運良く巡り合わせた方には、お芋一つ差し上げましょう!