11/16版
今日の真如堂?


「紅葉の見頃は25日頃でしょうか」と11/11版でお伝えしたのも束の間、今日は「紅葉はピークを過ぎたようです」とお伝えしなければなりません。
 どうやら一番良かったのは12・13日頃だったようで、まだきれいなもみじも多いものの、赤から枯れ葉色に移ろう木々が増えてきました。“花の木”などはもうほとんど葉がついていません。
 真如堂が、昨日はテレビで、今日も新聞の1面で紹介されたこともあり、また境内は無料ということも手伝って、境内はすごい賑わい。
 ところがマナーの悪さは目を覆うほどで、昨日は「たき火タバコ禁止」という高さ2mほどの木製コマ札が根元からスッポリと抜かき倒される始末。アマチュアの写真家たちが、撮影の邪魔になると抜いたとのこと。プロのカメラマンはそんなことはしないのですが、アマチュアカメラマンは一番たちが悪いですね。どこのお寺の人も決まってそう言います。往来の真ん中で三脚を広げる、邪魔な枝は折る、立入禁止でも入るなどなど、本当に困ってしまいます。

 さて、15日は真如堂の年中行事の中で最大の行事、「お十夜(じゅうや)」の結願(けちがん)法要が営まれました。
 前夜までの雨も上がり、境内の赤く染まった紅葉の下を稚児や僧侶が練り歩き、とても華やいだ雰囲気でした。
 境内を歩いた後本堂に入って読経をするのですが、鉦(かね)の大きな音で、となりに座っている僧侶の読経さえ聞きにくいほどです。
 賑やかな結願法要とまたひと味違うご閉帳(へいちょう)法要。お十夜の期間開けられていた本尊の厨子(ずし)の扉をしめる法要です。
 すっかり日の落ちた午後5時、堂内には一山の僧衆と鉦講(かねこう)の他、お参りする人が20人ほど。
 鉦が一旦止んで、導師「伽陀(かた)の文」。真如堂がどのような変遷をたどってきたか、十夜法要がどういう由来で行われるようになったかなどを朗々と詠じ、「時これ平成9年、希望に燃える初冬の日、真如堂大衆等敬って申す」と結句します。と同時に、鉦講が「南無阿弥陀仏」をゆっくりと唱えながら、また鉦を叩きだします。次第に鉦の音の間隔が狭まって攻め鉦となってくるのと同時に、開かれていたご本尊の厨子がゆっくりと閉じられていきます。
 鉦が攻める。「ナンマイ、ナンマイ、ナンマイ」。扉が少し閉まる。鉦、扉・・・そして「ナンマイーダブッ!」「ガタン」。一度開いて、「ガタン」と、お厨子の正面と両脇の扉が閉まります。正面にある2対の燭台の和蝋燭も、それにあわせて竹筒をかぶせて消されます。来年のお十夜までご本尊とお別れです。とても感動的な一瞬です。
 私はいろいろな法要の中で、この法要がもっとも好きで、感動します。と同時に、年末準備にそろそろかからなければと、実感します。
 例年は寒くてカイロを入れたりすることもありましたが、今年は衣を幾重にも来ているせいもあって、汗が出てくるほどでした。