11/8版
今日の真如堂?


 いよいよ冷え込むかと思いましたが、今日もたいして寒くはなく、紅葉は足踏み状態。
 写真は、朝一番に撮ったので、朝日が本堂に遮られ、下半分が暗くなってしまいました。
 5日から「お十夜」が始まり、毎晩6時半から、鉦を叩いて節の付いた念仏を唱える講の人たちが集まり、お勤めをしておられます。
 息の白くなるような夜、この鉦をしみじみ聞くのは最高! ボクの最も好きな一時です。
 「お十夜」については、「真如堂の主な行事」のコーナーで紹介していますが、再度、

 お十夜は、今から550年程前、足利義教公の執権職をしていた伊勢守貞経の弟 平貞国が世の無常を感じ、出家して仏道に生きようと、真如堂にこもって念仏の行をされたことに始まります。
 3日3夜のお勤めが済んだら髪を落として出家しようと決意していた3日目の明け方、うつらうつらしている貞国のもとにお坊さんが現れて、「出家するのをもう3日待ちなさい」とお告げをされました。出家を思いとどまって家に帰ってみると、兄は上意に背き吉野に謹慎処分。その代わりに貞国が家督をつぐようにという命令が下っていました。
 貞国は、「もし自分が出家をしていたら執権職を受けるどころか、家も断絶していただろう。これは阿弥陀さまのお陰だ」と感激し、あと7日7夜、合計十日十夜の念仏をしました。これが「お十夜」の始まりです。  後に後土御門天皇の勅命により鎌倉光明寺で行われ、全国の浄土宗寺院にも広まりました。  お十夜は、「この世で十日十夜善いことをすれば、仏国土で千年善いことをしたことに勝る」という教え(「無量寿経」)をもとに、阿弥陀如来の法恩に感謝し、お念仏の尊さを感得する法要です。
 ということです(本堂掲示用に作った文章です)。


一晩ごとに良くなる鉦の音。本番は羽織袴で。
<鉦の音を聞く(RA形式)>  聞けない場合はこっち
 兄弟が失脚したお陰で自分が地位についたのを喜ぶというのがどうも合点のいかないところですが…。

 8つある鉦を、「笹づけ」「佛がけ」などといった20種弱の節をつけて叩きます。その音の大きいこと。
 心を音に集中し、阿弥陀仏の世界をイメージすれば、得も言われぬ心地がしてきますよ。

 紅葉が進まないので、次の更新はおそらく1週間後です。