11/4版
今日の真如堂?



「縁の綱」と紅葉の進んだ「花の木」
 11/5から15日まで、真如堂の年中行事の中でも最も大きい法要、「お十夜(じゅうや)法要(十日十夜別時念仏会)」が営まれます。

 お十夜のいわれは、次のように言われています。
 今から550年ほど前、足利義教公の執権職をしていた伊勢守貞経の弟 平貞国は無常を感じて、自分は仏道に生きようと真如堂にこもって念仏の行をされました。
 3日3夜のお勤めが済んだら、髪を落として出家しようと決意していた3日目の明け方、うつらうつらしている貞国のもとにお坊さんが現れ、「出家するのをもう3日待ちなさい」とお告げをされ、
  「心だにたてし誓ひにかなひなば
       世のいとなみはとにもかくにも」
という歌を下さいました。
 貞国が出家を思いとどまって家に帰ってみると、兄は上意に背き吉野に謹慎処分。そしてその代わりに貞国が家督をつぐようにという命令が下っていました。
 貞国は、「もし自分が出家をしていたら執権職を受けることができなかった。これは阿弥陀さまのお陰だ」と感激し、あと7日7夜、合計10日10夜の念仏をしました。これが「お十夜」の始まりです。
 この法要は、「この世で10日10夜善いことをすれば、仏国土で1000年善いことをしたことに勝る」という教え(「無量寿経」)をもとに、阿弥陀如来の法恩に感謝し、お念仏の尊さを知って感謝の気持ちを込めてこれをお称(とな)えする大切な法要です。
 後に後土御門天皇の勅命により鎌倉の光明寺でも行われ、全国の浄土宗寺院に広まりました。
 現在、真如堂では、11月5日から15日にかけて修せられ、毎夜、鉦講員が8つの音階の違う直径30センチ程の鉦(かね)を打ち阿弥陀仏を念じます。
 結願の15日にはお練り法要もいとなまれ、ご本尊の間際まで近づいて参拝できます。また中風よけの小豆粥の接待もあります。
 本堂の前には角塔婆が立てられ、本堂の中から一筋の白い綱が張られます。「縁の綱」と呼ばれるこの綱の先端は本尊の阿弥陀さまの右手に結ばれていて、この綱を握って願を掛ければ直接阿弥陀さまに届くと言われています。

 さて、紅葉ですが、ここ数日の冷え込みでかなり進んできましたが、もみじはまだもう少し。でも、写真の「花の木」は赤さに透明感が加わってきて、きれいになってきました。もう少ししたら、上から、赤・黄・緑と3色になるでしょう。
 紅葉の見頃は25日頃でしょうか。