10/20版
本堂の裏に赤い実を付けた木がたくさんあります。
通りがかりの人に、「あれは何という木ですか?」と尋ねられ、「サンシュユ」ですと答えると「サンシュでしょう?」と言われる。「いえ、サンシュユです。“ユ”が要るのですよ」と押し問答をしています。
カタカナで書くとわかり辛く、また“ユ”などよけいな気もしますが、漢字で書くと「山茱萸」ですから、やはり要るのですね。
♪ 庭のサンシュユの木
鳴る鈴かけて
鈴の鳴るときゃ
出ておじゃれよ ♪
−宮崎県 稗つき節−
と歌われるこの木も、江戸時代に朝鮮半島から渡来した種。梅に少し遅れて小さな明るい黄色の花が春を告げるように咲きます。
そして、秋になって1.5センチ程の長楕円形の、真っ赤な実をつけます。「実が赤いなぁ」と感じたのはつい最近のことですから、紅葉の前触れみたいなものかも知れません。
一見美味しそうですが、渋みや酸味があって、生食には向きません(私は食べたことはありませんが)。漢方では疲労回復や強壮剤として用いられ、焼酎に漬けて山茱萸酒にしても良いそうです。
さて、紅葉ですが、桜の葉は赤くなって落ち始めていますが、もみじは枝先から少し色が変わってきた程度です。
今年はどうでしょうね? ここ数年、本当にきれいな紅葉はお目にかかっていません。
今月はじめに信州に行ったとき、通常は黄金色になるような広葉樹などが、そうならずに枯れて落ちていました。タクシーの運転手さんに言わせると、「今年は異常だね」ということでした。
さて、京都は…。