10/13版
今日の真如堂?


 朝夕涼しいこの頃ですが、紅葉にはまだまだ。やはり、11月の声を聞かないとダメですね。
 さて、10月14日〜16日、真如堂では引声(いんぜい)阿弥陀経会が開かれます。この法要は、本尊を造られた慈覚大師円仁が渡唐された時、五台山(ごたいさん)で生身の文殊菩薩から極楽世界八功徳池の波の音に唱和するお経を伝授されたのが現在まで伝わっているといいます。
 普通のお経は、1字1字をスラスラ読みますが、引声はその名の通り、いろいろな節を付けて長く引っ張ります。ですから昔は1週間かけてやっていたそうです。今は3日間。ですから、阿弥陀経というお経の本の最初の少ししか読めません。
 何しろ1年に1度ですから、いくら譜があっても、初日は10人程の僧侶の声がなかなかそろいません。3日目の結願法要になって、ようやくまとまってきます。ですから、お参りになる方は16日(9時から約1時間強)にどうぞ。
 なお、この法要にあたって、「引声塔」と呼ばれる端正な小型の塔がまつられます。塔の屋根の下にグルッと引声の経文の巻物が取り付けられ、4方向を向いた仏像がまつられている美しい塔です。なかなか珍しいものですよ。

 さて、真如堂のことはこれくらい。あとは、苦沙彌の近況です。
 7日の夜行で上高地に行って来ました。朝4時に松本に着いて(寝台車がなくずっと座って)、電車・バスを乗り継いで、上高地に着いたのは6時過ぎ。紅葉にはちょっと早い。
 それから、3時間歩いて横尾へ。実は穂高へ登るつもりだったのです。でも、この頃から雨が降り出し、「これは穂高は無理だなぁ」と思って、反対側の蝶が岳へ。途中から霰〜雪になり、山頂は吹雪。「雪と風で稜線に立ってられない」と下山する何人かに会いましたが、ボクが尾根に行ったときは何とか歩ける程度にまでなり、山小屋へ。雪に練乳をかけて食べたかき氷の美味なこと!
 夜になって、雪もおさまり、外に出ると満天の星、星、星。天の川が真上に見えました。
 翌朝のご来光も最高! 富士山、南アルプス、中央アルプス、頸城山系、剣・立山、そして槍・穂高の勇姿! こんなご来光はそうそうあるものではありません。
 その日は快晴の中キラキラ光る新雪を踏みしめて常念岳〜大天井岳へ約8時間。
 3日目は燕岳を経て中房温泉へ下山。やはり快晴! 中房温泉の湯は、3日間20数時間歩いてくたびれた体には本当に有り難かったです。こっちの紅葉は最高!
 今年は台風のために2度も山行を断念していたので、新雪にも会え、2日も快晴に恵まれてずっと実に360度の視界が開けた今度の山行は実に感動的でした。

 ギリシャ、チベット、山と、続けてウロウロしているものですから、ホームページ仲間の女子大生に「旅行ばかりしている」と言われ、知人に「気楽な人生だなぁ」と言われ… そうじゃないんだけどなぁ… (^^;)



10/9の日の出。太陽の右に蓼科山、八ヶ岳、そして右端に富士山の頭が見える。手前は雲海