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今日の真如堂?



「お供物入れ 京都市」と書かれた箱に「おしょうらいさん」を入れる。これ、市がまとめて流してく
れるの?

 お盆の棚経が終わり、一段落。今年は曇りの日が多く、棚経も少し楽だった気がします。

 今日は墓参の人も今日は少なく、パラパラ。そりゃぁそうですよね、今日は精霊を送る日ですもの(送るために墓参するという人もあります)。
 以前は、お供物などを川に流していましたが、河川汚染を避けるため、今では行政が地域のお寺や公園に「お供物入れ」の段ボールを配置し、そこに入れて貰うようにしています。京都ではお供物のことを「おしょらいさん」と言っています。
 さだまさしの「♪ 精霊流し」では、愛用のレコードまで流すわけですが、これは船に乗せて流す地方の物語ですね。お揃いで仕立てた浴衣をひとりで着て…年端もいかない弟がはしゃいでいる…淋しい歌ですね。

 さて、15日に精霊送りをする地方もあるようですが、京都は今夜の「五山送り火」で送ります。これ、「大文字焼き」とは言いませんので、くれぐれもご注意。

 「五山」とは、東山如意ケ獄の「大文字」、松ヶ崎西山(万灯籠山)・東山(大黒天山)の「妙法」、西加茂船山の「船形」、金閣寺付近大北山(大文字山)の「左大文字」・嵯峨仙翁寺山(万燈籠山・曼陀羅山)の「鳥居形」の5つです。
 送り火が一般に広まったのは、仏教が庶民の間に深く浸透した中世、それも室町時代以降だそうです。よく、「大文字」は弘法大師の筆跡だとよく言われますが、これは真っ赤な俗説。正確なことはわからないようです。

 大文字山は真如堂からすぐ。ボクが子供の頃は駆け足気分で登ったぐらい、今でも1時間はかかりません。特に銀閣寺側からは道も完備されていて気楽に登れます。京都の社寺巡りに飽きた御仁は一度登ってみられたらいかがでしょう。大文字山からは京都市内が一望の下、真如堂もすぐ真下に見えます。

 登ってみると「大」の大きさがよくわかります。書き順通りにいうと「一」の長さは80メートル、「ノ」は160メートル、3画目の右流れは120メートルで、火床が図のように並んでいます。

 8月15日から16日の昼ごろにかけ、銀閣寺山門前に設けられた受付で一般市民によって護摩木(割


わかりにくいけれど、真如堂から見た今年の「大文字」です。
木)に先祖供養や生存する人の無病息災などが書かれます。この護摩木は送り火の点火資材として当日、山上へ運ばれます。当夜7時から山上の弘法大師堂でお灯明がともされ、浄土院(大文字寺)住職及び保存会員ならびに参詣者などの有志によって般若心経があげられた後、午後8時、このお灯明を親火に移し、一斉に点火されます。
 火床は、大谷石の上に松割木を井桁に組み、間に松葉を入れ、まわりを麦わらで囲ってあります。大の中心は「金尾」と称して特別大きく割木が組まれています。全部で、薪600束、松葉100束、麦わら100束を使うということです。

 真如堂からは、一応、五山すべてが見えます。ただし、大文字は近すぎて3画目の下端が見えず、他も見るポイントを熟知の上、境内を汗だくになって移動しないと見ることは叶いません。

 大文字が終わると、夏が終わりだなぁとしみじみ思いますねぇ。