7/27版
今日の真如堂?


 今年は台風がよく来ますね。今度の台風も京都には大きな被害はありませんでした。
 恒例の宝物虫払会。掛け軸などの宝物を土用干しするのですが、「今年は台風で中止になるだろう…ラッキー!!」と思っていたのですが、うまく当日に来てくれず、開催しました。
 どうして中止を期待するか? それは宝物の入った重たい長持ちを蔵から出してきて、掛け軸などを吊し、1日中 番をした上に、夕方にはもう一度それを点検しつつ蔵に戻す、その作業が大変だからです。長持ちを担いだりするのは若手の役目。ボクも若手のうち。今年は長持ちを担いでいた時、つまづいて転けて、膝を痛めてしまいました。
 それでも、間近にいろいろな宝物を見ることができるので、ファンは大喜び。東京から来たという人、何時間も見ている人など、やる甲斐もあるというものです。
 でも、真如堂は1000年の歴史を持つわりには、宝物は多くありません。移転を繰り返したためではないでしょうか?

 お盆が近づいてきました。「儲かっていいですね」なんていう人がいますが、そういう発想しかできないのでしょうかねぇ? お盆は本当に辛いですね。ボクの寺(吉祥院)だけで250件のお宅を回ります。西は神戸、東は近江八幡辺りまでを、8月に入ったらすぐに回りだします。
 最近、お盆というと休みになって遊びに行くための期間のように思っている人もいますが、そういうときこそ田舎に帰って、墓参りや、故郷の匂いをかぎながらいのちのつながりを体感するなんてことも大切ではないでしょうか。
 「感謝」、食べ物への感謝、周りの人への感謝、自然や地球への感謝…そんなものを忘れて自分独りで生きている気になっている人が多いですね。お説教臭い?

 境内には、総門の近辺を中心に、10数種、30本程の木槿(むくげ)の低木があります。それらのほとんどはここ15年ほどの間に植えられたものですが、それでも木槿の名所として真如堂が雑誌などにも載るようになり、この季節になるとカメラを持った人が増えます。
 木槿は中国原産で、今では園芸用に品種改良されて、多くの種類があります。朝咲いた花は夕方にはしぼんでしまいますが、次々と花を咲かせ、秋口まで楽しませてくれます。
 夏の暑い盛りに咲いているのは可哀想な気がしますが、一服の清涼剤の感もして、見ていると心が和みます。