7/25版
今日の真如堂?


 今日、7月25日は真如堂の虫払い会(寺物虫干し)。

 梅雨明け宣言も出ないのに、虫干しをするのは稀なこと。天気予報ではあまり芳しい天気ではないことでしたので、ちょっぴり嬉しかったのです。
 虫干しは結構肉体労働。特に若手は大変。
 というのも、7時半、長持ちに入れた宝物を宝蔵から搬出。先ず、これが大変。何せ、「若手」というのはお寺の世界では50歳以下。蔵の2階にある長持ちを前時代的な滑車を使って1階へ。そしてそれを本堂へ(今でこそ軽トラを使うもののちょっと前まで担いでいました)。


 約200点の掛け軸をほとんど無秩序に本堂内に吊します。これぞまさに「玉石混合」。今日の地元テレビでは、虫干しのことを「蚤の市さながら」と言っていましたが、まさにその通り。平安時代の掛け軸から、ヘイサラバサラ、ケセランパセラ、鬼の牙とかいう下手物まで一挙に公開!
 「これがどうして寺宝なのですか?」と聞かれても、「昔から伝わっているから」。「今日は何点ほど公開されているのですか?」と聞かれたら、「200点ぐらいかなぁ」「えっ、そんなもんですか!」「じゃぁ、300点ぐらい、間を取って250くらい」と、目も当てられぬいい加減さ。

 あちこちで、僧侶と拝観に来られた方のやりとりが。
 俳句を作っているグループは質問が特に念入り。
 「この掛け軸を入れた箱は何ていうのです?」「…… そりゃぁ…箱でしょう」「やっぱり」。「これ、『弘法大師真筆』と書いてありますが…」「ああ、それは嘘です」とか。聞く方もちゃんとした応えをあてにしていなければ、応える方は輪を掛けていい加減。
 「来年はちゃんとしようなぁ」という声が毎年スタッフの間で出るものの、1年経ったら元の木阿弥。来年もまた…

 でも、考えようによっては、すごくのんびりした癒しの時間。3〜4時間、ずっといる人、あっちでおしゃべり、こっちでお話という人。
 本堂の縁の、干してある長持ちの間では、暑気払いの枇杷湯の接待を受けながら、足を延ばして涼んだり、居眠りしている人も大勢。
 虫払い。払っているのはセカセカしたりイライラしたりする現代人の「虫」かも。
 我ながら、これって、なかなか良い催しですね。