3/15版
今日の真如堂?


 京都は夕べから春一番の延長のような荒天。朝になって陽が差してきたものの、風はピューピュー吹き、雨が少し固まりかけているような感じです。

 今日は月遅れの涅槃会(ねはんえ)。
 京都のお寺では涅槃会を2月15日にするところと、3月15日にするところがありますが、3月の方が少し多いでしょうか。
 朝9時から、本堂の涅槃図の前で、礼拝をしたり、読経をしたりして、お釈迦さまの遺徳を偲びました。
 お釈迦さまの生涯の様子はお経という形で残されていますが、奇跡などを起こされたような記述もなく(お経によりますが)、皆さまが想像されるよりはずっと地道なものです。そして、「雑文集」にも書きましたが、亡くなったのも、長い布教遍歴生活の末、死期を悟って故郷を目指す旅の途中でした。「私は疲れた」と弱音を吐きながらも、最後まで布教を止められなかったその姿は本当に感動的です。
 遠い遠い手の届かない神様のような存在ではなく、「ボクも頑張らねば」と思わせるような身近で、偉大なお釈迦さま。涅槃図の前に座ると、そういう気持がジーンと涌いてきますよ。
 涅槃図の公開は今月いっぱい?だったかな…。涅槃図の説明のテープはボクの声です。

桜のつぼみも1週間前よりかなり大きくなりました


 暖かくなって、大学なども春休みに入ったので、境内を散策する人の数も日増しに多くなってきました。
 桜のつぼみも日に日に大きくなってはいますが、まだ満を持している感じもします。4、5日前でしょうか、白いものがちらつきました。「まだ、危ないぞ」と待っているのでしょうか。

3/10頃から咲き出したサクランボ。例年より1週間早い

 でも、サクランボの花はいま満開です。
 何という種類なのかわかりませんが、かなり以前に住職が植え、5年ほど前から実を付けるようになりました。
 例年はちょうどお彼岸の中日頃に満開になるのですが、今年はやはり早いですねぇ。

境内で見つけたタンポポ。まだこの1輪のみ

 1週間前には1輪も咲いていなかったタンポポ。今日、やっと咲いているのを見つけました。
 写真を撮るために何時間かおきに見に行きましたが、太陽の方に花を向けたり、小雨が振ると花をすぼめたりと、一所懸命咲いている感じがします。生き物の生命力ってすごいですね。
 ここ数日、サンシュユの種が道にいっぱい落ちています。鳥が実を食べて種を捨てたのでしょうが、サンシュユの実が熟して美味しくなったのか、他の食べ物がなくなってきたのか、どっちでしょう。

 こうして毎日、植物や鳥などを観察していると、それらが上手くバランスを保って、一つの大きないのちの輪のように循環してるように感じます。
 最近、遺伝子工学を使って奇妙なものができたというニュースを聞くことが多いですが、自然の摂理に反していると思いませんか? バランスの中で生きてきた様々な生物。そのバランスを崩しているのは人間ただひとり。技術の進歩は止められませんが、それがやがて自らの首を絞める結果を生むのだろうと思います。