12/19版

今日の真如堂?


冬枯れの境内でひときわ目を引くサンシュユの実

 木枯らしの吹く境内。ひときわ寒い今日、日曜日。法要や墓参の人を除いて、人影の消えた境内。まだ紅葉を梢に残したモミジもありますが、季節に乗り遅れたようで、いささか格好悪い。

 そんな境内で、地味ながら人目を引くのが、山茱萸(サンシュユ)の真っ赤な実。  3月の彼岸の頃、黄色い花を一面に咲かせていたのが、紅葉も終わり、境内から赤い色が消えていくに従ってすっかり準主役のように脚光を浴びた感じがします。もともとは江戸・享保年間に中国から日本へ渡来したらしいですが、1.5センチほど楕円形の実は薬用にもなるということで、おそらく漢方薬の原料とするのが目的だったのではないでしょうか。
 境内に植えられてまだ15年ぐらいでしょうか、10数本が本堂裏に植わっています。
 このサンシュユ。去年はほとんど実を付けませんでした。気候の関係でしょうね。

自坊のつくばいに散るサザンカ

 これから春近くまで、境内の景色がピタッと止まってしまいます。このページの更新に苦労する季節です。
 今、咲くのはサザンカ。椿も咲き出しました。南天や千両の実の赤も目にとまります。いずれも、大して主張をしない、静かなたたずまいです。

 2000年まで2週間をきりました。
 世間では「Y2K」問題が取りざたされていますが、何か備えておられますか?
 幸い真如堂には井戸もあり、燃料も薪でしのげるので、さほど危機感をもっていませんが、今の暮らしは電気が止まればお手上げ。ガスも出なくなりますから大変ですね。
 初詣でにぎわう京都の神社は、大晦日、万一に備えて警備員を増やしたり、懐中電灯を買い込んだり。八坂神社は、CD−ROM版のY2K用お守りを発売中。でも、実効はない、神頼みのみのものらしいですよ。
 真如堂は…ぜんぜん備えをしていません。困るのは除夜の鐘の時の停電ぐらいでしょうか。のんきなお寺です。

 話がガラッと変わりますが、最近、ボクの中でブームになっていることがあります。
 ユンボの運転です。
 昔から一度してみたかったのですが、出入りの建築業者の「貸してあげます」との申し出に、二つ返事。早速、時間を作っては穴掘り作業に勤しんでいます。
 でも、ただ闇雲に穴を掘っているわけではありません。境内の枯れ葉捨て場から腐葉土状になった土をとり、モミジの樹間などに鍬込んだり、動かせずに放置されていた石を移動させたり。来年になれば、詰まってしまった境内の排水用土管を掘り上げて、エスロンパイプに入れ替えるなど、きわめて実用的?な作業をしています。

お気に入りのユンボと8輪車

 職員はちょっとあきれ顔。
 先日、夕方、薄暗くなっても穴掘り作業を続けていた時、ちょっと一休みと思って機械を止めていると、職員がニタニタしながらやってきました。「どうしたの?」と聞くと、「音がしなくなったので、谷に落ちたのではないかと見に来ました」と。 (^^;)
 貫主は、「執事さん、そこら壊すさんといてや」。そういえば、先日、地下埋設の電線を切りかけたっけ。
 でも、このブーム、しばらく続きそう…。
 美しい真如堂のための大切な作業ですから。