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今日の真如堂?


本堂北側廊下越しに見た紅葉

 今年の紅葉シーズン最高の人出が予想されるこの飛び石連休。前半はお天気にも恵まれ、大変な人出。おまけに先日まで天皇陛下が在京とあって、京都市内の至る所で車の大渋滞。
 真如堂も昨日は拝観者数約500人。今日はそれを超えて約1200人。境内は人だらけ。車はあふれてパトカーが出動。職員は昼食もままならず、対応に追われています。

 もみじは…よくないですね。本堂の前はピークを迎えていますが、どす赤い?感じで、夕日に透かしてようやく真っ赤に見えるというありさま。葉先が枯れ込んで、葉全体もよどんだ色をしています。「永観堂は悪い」「三千院は全くダメ」というような声を添乗員さんから聞きます。どことも良くないようですね。
 紅葉は木々一本一本によって迎え方が違い、「この木は今が一番だなぁ」「あー盛りを過ぎたなぁ」というのが、毎日観察しているとよくわかります。それでも、比較の対象がない来訪者にはとてもきれいに見えるようで、北参道から上がってきて視界が開けるとき、多くの方が「わぁー!」と歓声をあげておられます。
 同じ境内でも、本堂前と裏では紅葉が2週間近くずれ、本堂裏はまだほとんど緑色です。本堂裏は、12月、人もまばらになってきた頃、静かな紅葉が楽しめる絶好のポイント。もみじが葉を落とした小雨降るような日、赤い敷物を敷いたみたいに木の下が赤一色になる様の美しさは言葉にしようがありません。それまであと2週間余りでしょうか。真如堂らしい、静かな季節がくると早く来ればといいなぁ…このページをご覧の方はその頃どうぞ。ゆっくりご案内させていただけるかと思います。

人だらけの茶所前。このもみじも今年は悪い。

 あまりに多くの方が来られるのと、ボクの勘違いで、カラー刷りのパンフレットが品切れ。その分の拝観料50円を引いて、代わりに軽印刷の説明書きを作成。2000部作ったものの、それも明日でなくなりそう。また刷らなきゃ。それに、今年から始めた駐車場の期間限定有料化に伴う拝観券の 作成。お十夜のお粥炊き以来、そんなことばかりしているような気がします。すべての雑用を一手に引き受けるのが執事の職務かと…。仕方がないです、やらないと気が済まない人ですから。

 昨日、本堂に居ると、涙を拭っておられる女性を見つけました。理由を聞いてみると、今夏、ご主人を亡くされたとか。真如堂にはお二人で何回も来られ、そのことを思いだし、つい涙が…ということでした。
 拝観をされていない方を含めると、今日の人手は2000人以上。そのそれぞれの方が、いろいろな思いを胸に紅葉を眺めておられるのだなろうなぁと、つくづく思いました。

 ただ、紅葉を見に行く、駆け足で拝観して、帰ったら何を見てきたか覚えていない。そんなお寺ではなくて、読経や念仏の響く中で、また美しい風景も眺められる。そういう寺にしたいですね。