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今日の真如堂?


化粧をしてもらわれたお地蔵さんと並べられた福引きの景品

 先週から不安定なお天気が続いています。高校野球の応援の賑やかな歓声とは裏腹に、大雨の被害者の捜索のニュースが毎日報じられています。悲喜こもごもというのでしょうか。

 今日の真如堂の境内は子供たちの楽しそうな声であふれています。
 今日・明日は境内の千体地蔵堂前で「地蔵盆」の行事が行われています。地蔵盆は京都を中心とした関西の行事で、それ以外の地域の方には馴染みがないかも知れません。
 お地蔵さんの縁日は24日。それに先駆けて、22・23日、この頃は大人の休みの都合でその近くの土・日曜日に開催される、いわば子供のお祭りです。

 ちょっと難しいことを書きますが、お釈迦さまが亡くなって以後56億7千万年後に弥勒菩薩が現れてこの世の人々を救うという考えが仏教にあります。お釈迦さまが亡くなったら段々とその教えが薄れていくわけで、とても56億7千万年も待っていられません。そういう心細いような世に出現して、子供たちのように年端もいかず道理もわからない者をも救って下さる仏さまがお地蔵さまなのです。そういうところから、お地蔵さまは子供たちの守護仏のように考えられたわけですね。

雨天の中、テントの下で思い思いに遊ぶ子ら

 地蔵盆はそういう宗教的な行事ですが、夏休みの終わりが近い子供にとっては、その最後の楽しいイベント。地蔵盆が終われば、宿題の仕上げが待っているわけです。
 3時と10時のおやつ。カレーなどのお昼ご飯。ゲームや花火と1日中様々な行事が町内の世話役たちによって行われます。また、福引きなどはお年寄りにも楽しみな催しです。
 もちろんお地蔵さまをまつって、その前でお勤めも行われます。「数珠回し」といって、念仏に合わせて、大きな珠の数珠を20人ほどで回してお勤めをする時間もつきものです。
 夜になると、子供たちが毎年書き替える行燈に灯が入り、これまた何ともいえない風情です。

 京都では、今日・明日、あるいは明日・明後日、街中のあちこちのお地蔵さんの祠の前でこのような光景が見られます。最近はマンションのガレージにお地蔵さまをお連れして行うというケースもあります。また、町内の祠の仏さまが大日如来の場合もあり、その町内は28日の縁日頃に、やはり同じ様な行事を行います。

 残暑が厳しい毎日、もう一息頑張りましょうね。