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今日の真如堂?


晋山式の行われる本堂に向かう式衆

 少し蒸し暑く、新緑が少し緑を濃くしてきた境内。本堂前の白砂に囲まれた石畳を法衣をまとった行列が進んでいきます。
 9日は、真如堂第53世貫主眞成大僧正の晋山式(就任の式典)でした。

 延暦寺や天台宗各門跡、清水寺・永観堂など他の宗派の僧侶、檀信徒など、約320名の臨席・参列のもと、「唄散華(ばいさんげ)」という法要が厳修され、新貫主の就任の決意を表した詞が詠みあげられました。
 昨年秋の就任以来、5月の好季を待って執り行われた式典でしたが、その間、「お十夜」などの大きな年中行事、前貫主の葬儀などもありました。また、晋山式に備えて、本坊の改修工事や模様替えなど、大変な半年でした。
 私にとっても、貫主から執事に任命された昨秋以来、今日を大きな目標として、すべての作業を進めてきましたので、感慨もひとしおです。

晋山式の法要

 新貫主は、真如堂の初代貫主戒算上人から数えて53代目ということですが、真如堂が開かれてから1015年。平均すると在世期間は約20年。
 社長が代わると会社の雰囲気が変わるように、新貫主の就任も真如堂にとっては一つの転機です。伝統の流れの中で、いかに新貫主のカラーを出していくか。前にも紹介させていただいたように、新貫主は油絵画家でもあります。仏教と芸術ということについて、作品を制作する中でずっと考えてこられた方ですから、そういうカラーが次第ににじみ出てくることと思います。20年といわず、長生きしていただいて、そのカラーを定着させていただきたいと思います。
 厳かな式典とは裏腹に、私は相変わらずウロウロ、バタバタ。法要もこの写真を撮るのにチラッと覗いただけ。式典が順調に始まったのを見届けて、タクシーで祝賀会場のホテルに駆けつけて、最終打ち合わせ。4時過ぎ、すべての日程を終えてやれやれ。お酒も回ってきて、夜の12時過ぎまで、うたた寝をしてしまいました。(^^;)

 はてさて、この花はご存じですか? 本坊の庭に生えているのですが、花を見るのはボクも初めて。数年前に移植して、去年あたりから花をつけるようになったそうで、ほとんどの職員が花を見たことがありませんでした。この花、「ナンジャモンジャ」です。
 ナンジャモンジャはヒトツバタゴが本名ですが、名前がわからずに「ナンジャモンジャ」と呼ばれていたそうです。モクセイ科で、日本では愛知県・岐阜県・対馬にだけ自生する珍しい木なんです。明治神宮の外苑に大木があるそうですよ。
 真如堂の木は高さ6〜7メートル。葉は光沢があり、ご覧のような10センチほどの白い花をたくさんつけています。1センチほどの楕円形の実がなるとか。それも楽しみです。



 赤紫の花は、私の自坊前のツツジです。ご覧の通り、大きな木です。
 このツツジ、例年は連休の頃に咲くのですが、今年は3〜4日ほど遅れているように思います。

 ツツジが終わってしばらくすると、新緑も一段落してきて、夏のムクゲまで季節がゆったり進むようになるでしょう。

 先週からお目見えした新デジカメ。使いこなすのには、まだまだ時間がかかりそう…。