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今日の真如堂?




本堂前の参列者

 2月6日夜、真如堂の前貫主(第52世)清水真澄師が遷化(せんげ)されました。
 元来が病弱な方でしたが、平成元年に貫主に就任されて以来10年間、その身をおして職務に当たってこられました。法要などにも長けた方で、天台座主への登竜門といわれる「戸津説法」の説法師も勤められましたが、病気のため貫主の任に堪えられなり、昨年9月末に辞任されました。
 私にとっても僧侶の師弟関係からいうとごく近い方で、多くのことを教えていただきました。また、子供の頃からの思い出もたくさんあります。

 葬儀を迎えた今日は暖かい好天気に恵まれ、参列の方が寒がられる様子もなく、こちらもホッとしました。
 法要は「光明供錫杖(こうみょうくしゃくじょう)」という密教の法要で、声明の声が堂内に響きわたる厳かなものでした。

 真如堂の本堂を荘厳して行われた葬儀でしたが、大きな本堂を飾り付けるのは大変で、昨日の夜は業者の作業が9時半頃まで続きました。白い菊一色の祭壇は大変シンプルで、さすがにうまく飾り付けるものだなぁと感心します。

 先日まで次期貫主の晋山式(就任の式)の準備を進めていたのが一転して葬儀になり、大慌てでしたが、「いつ死期が来るかわからないからしっかり生きよう」という趣旨のことをいつも言っているのが坊さん。こんなことで動転してはいられませんね。
 こういう時付き物のアクシデントも多々ありましたが、なんとか無事に終えることができました。

 少しずつ春に近づいていることを予感させる気配が感じられるようになってきた境内。前貫主らしい静かな旅立ちの日でした。