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今日の真如堂?




静まりかえった雪の朝の境内

 夕べからチラホラ降っていた雪が1センチほど積もりました。京都ではこの冬初めての雪景色です。
 朝7時までのまだ陽もささない頃、雪はシャンと角を立て、霜柱などもシャキシャキいっていましたが、8時頃になって東山を超えた太陽から陽を受け始めると、急にダラダラと丸くなり、溶け始め、ボタボタと音を立てて落ちてきました。
 8時頃から快晴になってきて、青空と雪のコントラストが綺麗でしたが、写真は7時頃の、まだ陽が射す前のものです。
 雪景色に、お勤めも忘れて、慌ててカメラを持って外に出ました。なぜか西の空がピンク色で不思議な感じでした。
 まだ、写真を取りに来ている人も少なく、いつも通りの犬の散歩の面々も、寒さゆえか足早に境内を通り過ぎていきます。
 ほとんど人気のない、静まり返った境内。カメラのシャッターの音が余計に大きく感じられました。
 雪の境内はとっても魅力的です。

 もうすぐ節分。真如堂では、「日数心経」という行事を行います。
 「日数」とは1年365日のこと、「心経」とは般若心経のことです。般若心経を向こう1年間の365日回よんで、除災招福を祈願するという行事です。 2日の朝から3日の夕方まで、僧侶たちが交代でお経を上げます。
 365回はどうやってカウントするのだろうとお考えではありませんか? 豆です。豆を365粒用意しておいて、お経を1回読むとそれを移す。全部移し終えたら365回よんだことになるという仕組みです。ただ、何回もお経を読んでいるうちに、よむ前に移していたか、よんだ後に移していたか、混乱してくることがあります。少ないのも不具合ですから、365回よりは少し多めによむようにしています。
 併せて、漢方薬を煎じた「お薬湯」を接待しています。
 真如堂のすぐ西の丘には吉田神社という神社があり、ここの節分は京都でも最大級です。節分に真如堂へ参拝される方はそのお流れみたいなもので、そう多くはありません。
 節分の頃が一番雪が降る確立が高いような気がしますが、今年はどうでしょう? 数年前、『本覚坊遺文』という井上靖原作の映画の撮影に奥田瑛二さんが来られ、本堂前のお薬湯接待のテントの中でセリフをボソボソと暗唱しておられた姿を思い出します。