夜中に頭が痛くて目が覚めました。
「これはヤバイなぁ」と思って、深呼吸を繰り返しましたが、そのうちに寝てしまい、気が付いてはまた深呼吸の繰り返し。
寝てしまうと呼吸数が減り、これが高山病の引き金になります。結局、今朝も頭痛で朝食が食べられませんでした。
外は霧雨状態。眺望もありません。天気が良ければもう一度穂先に登ろうと思っていましたが、断念しました。
6時、小屋を出発。上高地の横尾〜徳沢〜明神の林道を3時間歩くのはつまらないので、今回は新穂高を目指して下山します。新穂高側へ降りるのは初めてなので、気持ちも新鮮。高度を下げれば頭痛も治ります。
道は一気に下っていきます。高度100メートルごとに標識が立っていて、「せっかく登ったのになぁ・・・」と思いつつ、空気が濃くなって、頭痛が一気に消えていくのがわかりました。
高度が下がるにつれて植生も変わり、咲いている花が変わっていきます。それもまた楽しみの一つ。花を見つけては、腰のポシェットからカメラを出して撮影。歩いては撮る。そんな繰り返しをしているうちに、槍平の小屋に着きました。
小屋でオリジナルのバンダナを買って、ちょっと休憩をして、また出発。
また歩いては撮るを繰り返しているうちに、40代ぐらいの女性と20歳代ぐらいの山ガールと一緒に歩くことになってしまいました。
山道はしばらくすると終わり、ただの林道を歩くことに。これでは上高地と変わりません。しかも、治水工事のミキサーカーがしょっちゅう行き来して、それを除けるのに気を使わなければいけません。
そんな中、女性同士は談笑。ぼくはちょと引き気味に、3歩下がって。40代ぐらいの女性は関東方面から来られているようで、頻繁に山行をして、すごく花の名前に詳しい人。20代ぐらいの山ガールは、山オタク。岐阜近くに住んでいるようで、友達も山ガール。映画の『岳−ガク−』を熱く語ってくれました。
つまらなく、危険な林道を歩くこと1時間半。11時半頃、新穂高に到着。40代ぐらいの女性とボクは日帰り温泉の暖簾を男女左右にくぐり、山ガールは駐車場に駐めた車に向かうことになって、ここでお別れ。
ボクは高山行きのバスが出るまで20分もありません。大急ぎでヒゲを剃り、汗を流して着替えをして、バスターミナルまで走りました。
すると、山ガールが待合室に。「あれっ? 何しているの!?」「友達に、降りたってメールをしているのです。えーっ!! 10分も入ってないじゃないですか!」「だって、時間がないんですよ」と言葉を交わし、ボクはバスへ。高山行きのバスに乗り遅れると、1時間待たなければいけないので、大急ぎでした。
バスの中で爆睡。座席から落ちるかと思いました。
高山駅でJRのチケットを買い、まずは腹ごしらえ。朝も食べてない上に、もう1時半を過ぎて腹ぺこ。列車に乗るまで50分ほど。「ラーメンだな」と、何度か行ったことのある店を探しましたが見つからず。結局、駅の近くの店に入りましたが、なかなか美味しくて、外観やや雰囲気から店を選んだ自分の嗅覚に自信を持ちました。
駅前で土産を買い、車中で飲むのに高山ビールを求めようかと思いましたが、あまりにも高いので普通のビールにして列車へ。また中島みゆきを聞いていましたが、バッテリーがなくなり叶わず。
名古屋までは遠かったですが、名古屋からはあっという間。山から帰ってくる時、京都の町はいつも新鮮に見えます。
空気が濃いということの何という有り難さ。‘しっかり吸える'という感じがします。
3日間の山行。ゆったりしたスケジュールで、体力的にはまだまだ余裕がありましたが、ずっと高山病の前兆に悩まされました。
2007年に槍の下まで来ながら、強風で登頂できなかったリベンジの山旅は、無事に果たせ、その上この上ない好天という‘プレゼント'までもらいました。素晴らしい景色を堪能させてもらいました。
名前も知らない山で出会った、一緒に山を楽しんだ一期一会の‘友'、ありがとう。
〜 山とお花畑を見ながら下る / 山ガールに先導されて進む林道 〜
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2011年8月31日(水)
No.2977
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