▲目次
  修 正 会  


修二会の炎
 「修正会しゅしょうえ」は、年の初めに行う法要です。
 「修正」とは、過ちをあらためて正しきを修めるということで、修正会も、誤った行いや罪を悔い改めて新しい年の始めを迎えようという法要で、その起源は中国にあるようです。
 わが国では護国思想の高まった奈良・平安時代に、悔過けかの法会や祈祷のための「大般若経」転読法要が行われ始めました。
 「悔過」とは、「過ちを悔いる」ことで、おかしてしまった過ちを仏前において懺悔さんげすることによって罪が消滅するという思想と神道の禊の思想が合わさったものだそうです。
 悔過会は、もともと雨乞いや病気平癒のための呪的な法会でしたが、次第に正月に行われるようになり、旧年の罪障を仏に懺悔し、新年の除災招福・豊穣安穏を祈願する法会となっていきました。
 正月は"正す月"。平素の暮しを省みて、まちがいを正し、過ちを慙愧して自らを養う機会でもあります。
 「一年の計は元旦にあり」。修正会は、あまり一般の方が参加される法要ではありませんが、皆さん方も、初詣に行かれた時、去った年の反省をし、新たな年の決意をされてはいかがでしょうか。

 さて、東大寺二月堂のお水とりは「修二会しゅにえ」と呼ばれます。2月に修めるそう呼ばれるのですが、一月に修正会を行ったのに、どうしてまた2月に行うのでしょうか?
 インドの旧暦では2月が「正月」(一年の始まり)だったからだという説がありますが、よくわからないそうです。

 ところで、お寺でも、門松をたて、鏡餅を供えます。
 門松は、その年の神さまをお招きするための目印、神さまがお降りて来られる時に宿られる依代(よりしろ)。鏡餅は、五穀豊穣を守る年神さまへのお供え。本来は神道の風習です。
 いろいろな行事は、仏教・神道・習俗などをいろいろ取り混ぜてアレンジされているわけですね。